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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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ミレニアム・ゴジラ・シリーズを観る 前編

アメリカ版ゴジラの失敗によって、日本にゴジラが戻ってきた。
その第一弾が『ゴジラ2000ミレニアム』で、以降のゴジラは便宜上「ミレニアム・ゴジラ」と呼ばれている。
「平成ゴジラ」と大きく違うのは、話がほぼ毎回完結で、シリーズといっても続いていないこと。
「平成ゴジラ」のゴジラは同じ個体で、シリーズを通じて登場する人物キャラクターもおり、新作は前回のエンディングを受けて始まっていた。
しかし「ミレニアム・ゴジラ・シリーズ」は、唯一『ゴジラ×メカゴジラ』と『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ』が続いているだけで、
あとは話も世界観も毎回リセットされている。
唯一の共通項は、「1954年にゴジラが現れ、人類が何とか撃退した」という歴史観があることぐらいだろうか。
そして自衛隊(ネーミングは作品によって異なるが)とゴジラの対決が、かなり物語の軸になっていることだ。

1.『ゴジラ2000ミレニアム』 ★☆
1954年に続き、再び日本に現れたゴジラと、はるか昔に地球に飛来して眠っていた宇宙生命体との闘い。
当時、2000年になると世界中のコンピューターが狂って大パニックになるという危機が叫ばれていた。
それをヒントにしているようだが、逆に今となっては「ミレニアム」という言葉が古臭くなってしまった。
「ミレニアム・ゴジラ・シリーズ」の中でも、もっとも魅力のない一本で、どういうゴジラ映画を作ろうかと焦点が定まっていない感じがする。
俳優たちの演技も揃っておらず、阿部寛の「ぐぅおじぃらぁ!」は演技過剰で失笑モノ。
でもこのシーンだけ、何度も観たくなる。いや、それしか印象がない。
宇宙怪獣の造型も、おもちゃメーカーの依頼を受けて作ったとしか思えないほど、格好悪い。
観なくてもいい一本。

2.『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』 ★★☆
前回の反省を受けてか、今回は最初からゴジラ対自衛隊の軸を鮮明に出している。
1954年にゴジラによって東京は壊滅させられ、首都は大阪になっているというSFチックな出だしだが、
その後はとくにその設定が生かされることはない。
今回、ゴジラを倒すのにブラックホールを作ってその中に放り込むしかないという無茶苦茶な作戦を立てるが、そのくらいのほうが映画っぽくていい。
そのプログラムを作るのがアキバのおタクというのが、当時のトレンド。扮するのは『ハンサムスーツ』のハンサムの人。
でも、この作戦最初から失敗続き。で、新たにトンボ怪獣のメガギラスが登場するが、やはりデザインがよくない。
ゴジラとは、当時のトレンディスポット(笑)お台場で戦うがあっさり、やられてしまう。
つまらなくもないが、印象薄い作品。

3.『ゴジラ×モスラ×キングギドラ 大怪獣総攻撃』 ★★★★
1954年のゴジラ第一作以外はなかった設定にリセットして、ゴジラ自体も単なる巨大生物ではなく、太平洋戦争で死んだ人たちの霊の集合体という新解釈を打ち出しての番外編。
監督は、平成ガメラシリーズで、特撮ファンの大きな支持を受けた金子修介で、タッチも他のゴジラシリーズよりも、ガメラシリーズに近い。
ゴジラはなぜいつも日本、とくに東京を目指すのかという毎回の疑問の解答から、きっとストーリーを思いついたのだろうか。
日本を破壊するのは、その霊は日本兵だけでなく、死んだアジアの人々や米軍兵士の霊も合わさった集合体という理屈だ。
映画の中で明示されないが、目指すのは明らかに皇居。戦争責任を追求するということだろう。
歴代ゴジラの中でももっとも凶悪で、目は白目になってかなり怖い感じだ。体型はずんぐりむっくりの昭和ゴジラに近い。
そのゴジラと闘うのは、古来より「やまとのくに」に住み、危機存亡の時に「やまと」を救うために立ち上がるという、護国怪獣たち。
バラゴン、モスラ、キングギドラだ。
焼津に上陸したゴジラは、箱根でバラゴンを撃破。小田原を破壊し、東海道を進み、横浜みなとみらいでモスラとキングギドラとの決戦になる。
ゴジラシリーズにしては珍しく、人間ドラマも充実しており、新山千春のリポーターとその父で自衛隊の将校である宇崎竜童の話もうまく物語に絡んでいる。
モスラとキングギドラは何度もやられるが、しつこいぐらいに復活。
しかしゴジラに止めを刺すのは人間、宇崎竜童だ。宇崎が交信で娘に別れを告げるのは、ちょっと『アルマゲドン』。
ゴジラは自ら吐き出そうとした熱線で自爆してしまう。
見ごたえのある作品で、金子監督でもう一本ゴジラ映画を観たかった。
ミレニアム・ゴジラシリーズを観るなら、まずこの1本を観るといい。
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by mahaera | 2009-01-06 19:34 | 映画のはなし | Comments(0)
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