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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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アメリカン・ゴジラ2本 『GODZILLA』と『クローバーフィールド』

平成元禄時代、日本映画動員数において、年間ランキングで常にベスト3に入っていて安定していた人気を持っていた「平成ゴジラシリーズ」だが、
アメリカ側のリメイクが決まってたので、前述した『ゴジラVSデストロイア』で終了。
そして期待のうちにアメリカ版ゴジラが、『GODZILLA』となって公開された。
監督は『インデペンデンス・デイ』などの大味の大作映画を得意とするローランド・エメリッヒ。
『スターゲイト』『パトリオット』『紀元前一万年』など、彼の他の作品を見れば、出来は何となく予想がつくだろう。

CG満載、「サイズがモノを言う」などのキャッチコピー、そして当時流行っていた「ジュラシックパーク」を仮想的にした予告編(巨大な足がティラノサウルスの骨格標本を踏み潰す)と、期待に胸をふくらませて劇場に行ったのだが…。

出来は期待を大きく裏切るものだった。
まず、姿かたちはどうみても巨大イグアナで、ゴジラにはほど遠い。
そして最後はあっけなく火力兵器にやられてしまうただの生物で、「怪獣」ではない。
ニューヨークの町を走り回るという設定は、まあ面白かったが、映画の中盤からどんどんテンションが下がってきてしまい、
マジソンスクエアガーデンで発生した大量の小ゴジラの場面などは、まるで「ジュラシックパーク」だった。
つまり、ゴジラ映画に期待されるものがまるでない、「怪物」映画だった。

アメリカでも評判は悪く、ゴジラを愛する映画人はこの映画をけなした。
スピルバーグも『GODZILLA』を観たかと聞かれ、「デブリン(製作者)のイグアナ映画は観ない」と言ったという。
映画以上に期待された大量のキャラクターグッズは売れ残り、ゴジラと他の怪獣が対決する続編の話も流れてしまった。
もし、この『GODZILLA』が成功していたら、アメリカで続々とシリーズ化されていたのだろうか。
『GODZILLA』の日本での興行収入は20億ほどで、それまでの平成ゴジラシリーズとそう変わらなかったという。

アメリカとの契約で、その間ゴジラ・シリーズが作れなくなっていた東宝では、モスラ・シリーズ三部作を製作。
しかし評判はあまり良くなく、ゴジラ復活が待望されるようになる。

すっかり、消えてしまったアメリカ版ゴジラだが(『ゴジラFINAL WARS』ではZILLAとして脇役出演)、最近、「ほぼゴジラ映画」が作られた。
それが今春封切られた『クローバーフィールド HAKAISHA』だ。
予告編でも、これが怪獣映画であることを示していないが、内容は『GODZILLA』+『ブレアウィッチ・プロジェクト』。
ニューヨークに上陸したナゾの怪獣を、一般人の視点で撮った一夜の話だ。
製作はテレビシリーズ「LOST」で人気を得た人。
最初の20分はだらだらした人間模様だが、途中から怪物に襲われて逃げるパニック映画になる。ホラー映画テイストもあり。
肝心の怪物の造型だが、ゴジラともGODZILLAとも似つかないエイリアン風だが、そこまで似せてしまっては「盗作」と言われても仕方がないだろう。
造型はともかく、コンセプトはゴジラ。怪獣に寄生する吸血怪獣も平成ゴジラの『ゴジラ』に出てきたフナ虫怪獣ショッキラスに似ている。
ただしデザインは『スターシップ・トゥルーパーズ』のバグ似。
製作者はこの映画のアイデアは、「日本へ行ったとき、おもちゃ屋で見たゴジラのおもちゃにインスパイアされて考えた」と言っているが、たぶんウソだろう。
アメリカ版ゴジラを「ゴジラ」の名と使用権料を払わずに何とかリメイクしようと考えたのではないか。

この『クローバーフィールド』、アイデアは悪くないと思う。
日本の怪獣映画の弱点は、登場人物たちがいつも自衛隊や閣僚、科学者など体制側で、一般人の視点が欠けている。
もし日本にゴジラが現れたら、逃げ惑う人たちの分だけドラマがあるはずだ。
『クローバーフィールド』の欠陥は、登場人物たちに魅力が欠けていたこと。
あとは、途中もハラハラさせるために寄生生物を出したのは余計だったかと思う。
良かったのは怪獣の姿が常に、主観ショットということかな。
でも、あの造型はあまりよくない(『エイリアン4』の新種エイリアンみたい)。

評価は
『GODZILLA』 ★★
『クローバーフィールド』★★

この項「ミレニアム・ゴジラ・シリーズ」に続く(予定)
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by mahaera | 2008-12-28 19:50 | 映画のはなし | Comments(0)
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