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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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タージマハルホテル炎上 ムンバイのテロ

タイが問題と書いたら、今度はインドで深刻な事件が起きてしまった。
現在ニュースで流れているが、場所はムンバイ。
今年の3月にも訪れ、一週間ほど滞在したエリアだ。

ムンバイへ行った方ならわかると思うが、今回事件の舞台のひとつとなったタージマハルホテル周辺は、ムンバイ有数の観光地で、安宿から高級まで多くのホテルがある。バックパッカーには便利なところで、20ドル程度の宿や外国人向けのレストラン、近くには博物館や名所のインド門もあり、ムンバイへ観光でやってくるものなら、必ず訪れるエリアだ。

初めてムンバイへ行ったのは5年ほど前。
インドには何度も行っていたが、なぜかこの町を訪れることはそれまでなかった。その時は取材だったので、ホテルは依頼先が手配してくれたが、その時に泊まったのが、今回テロの標的となったタージマハルホテルだった。

このホテルはムンバイのランドマークともいうべき建物だ。
このホテルを作ったのはインド最大の財閥ターターのご先祖。
19世紀末、資本家として成功していたターターだが、外国人の友人とあるホテルへ食事に出かけたところ、「ここは外国人専用でインド人はお断り」と言われる。
この屈辱を機に、ターターは世界に通用する、インド資本のホテルを建てようと決意。1903年にこのホテルは完成した。やがてこのホテルはインド民族主義のシンボルとして、しばしば引用されるようになる。

襲撃を受けたもうひとつの場所「レオポルド・カフェ」は、タージマハルホテルの裏側150mぐらいの所にある、外国人がよく利用しているレストランでだ。
このカフェは旅行者のたまり場で、ガイドブックには必ず載っている。
たぶんムンバイを訪れた旅行者なら一度は足を運んでいるだろう。
僕もここで何度も食事をしたりビールを飲んだりしており、この春にも行ったばかりだった。
そこにもテロリストは押し入り、イギリス人とアメリカ人を探していたようだ。テレビでは血に染まった床が映し出されていた。

ムンバイはインド最大の都市。
日本で言えば今回のテロは、帝国ホテルを襲い、銀座で銃撃戦を起こすようなものだ。インド政府がうまく収集しなければ、インドへ旅行したい人は減り、観光業はぐっと冷え込むだろう。
そして犠牲者の中に外国人はいるが、ほとんどはインド人だ。
無差別テロは誰でも憎むべきものだが、とくに僕のように観光に関わる仕事をしているものだと、怒りさえ覚える。
「観光」あるいは「旅行」は、他の国や地域の人々と、利害関係なく接することができる大切な場だ。旅先で多くの人々と出会うことで、その人も多くを知り、他の者に寛容になれる。
そんな手段だが、テロはそれを一気に潰す。そして関係ない人が殺される。たまたまそこを歩いていただけのような人たちが。

僕自身、この1月にまた取材でインドへ行く予定だったが、今回の事件の結果次第では仕事自体がなくなるかもしれない。でも、それでインドに行くのを止めようという雰囲気になれば、それこそテロリストの思う壷だ。
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by mahaera | 2008-11-27 16:07 | 映画のはなし | Comments(0)
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