ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

映画『七人の侍』 その1

三週間ほど前になるけど、久しぶりにテレビで『七人の侍』を見た。
BS放送をHDに録ってあったやつを、
息子が気になり観たいというので、僕も一緒にながら見始めた。

この映画を見るのはもう何回目になるのだろう。
僕が子供のころから、よくテレビで放映されていたが、最初にきちんと見たのは1975年のリバイバルの時だ。
当時僕は中学生だったが、その時の国語の先生が「絶対に見に行け!」と大絶賛。
もちろん僕はそのころ立派な映画少年だったけど、あまり日本映画は見ていなかった。
クラスの何人かでテアトル東京に見に行ったと思う。しかし父親と行ったような気もするので、
もしかしたら二回行ったのかもしれない。
侍が次々と揃っていくところはわくわくし、決戦に備えて緊張感が高まり、
そして大迫力の雨の中の戦いには我を忘れた。
中学生でもこの映画の面白さは十分にわかり、感動し、泣いた。

その後、名画座で何度か見たし、テレビでも時々やるので数年に一回は見続けていると思う。
この映画に関して、「飽きる」ということはない。
この映画で飽きてしまうようなら、その人はどんな映画を見ても飽きてしまうだろう。
今回も、最初は斜め見だったのだが、やがて手作業を止めて真剣に見出してしまった。
本作は休憩ありの三時間二十七分の長尺だ。
息子は途中で注意力散漫になり、妻は最初から興味なしで見ていない。
その脇で、ひとり涙を流す自分。。(笑)

この『七人の侍』を見ると必ず泣いてしまうところがいくつかある。
まず最初のほう。農民たちが勘兵衛(志村喬)に村を守ってくれるように頼むが、断られる。
武功にもならず、報償も得られず、ただ飯が食えるだけでは、ふつう誰でも断るだろう。
そこで今まで悪い奴だと思っていた人足(眉毛がつながった男)があるきっかけを作り、勘兵衛は村人を助ける決意をする。
「このめし、おろそかに食わぬぞ」のセリフ。 ここで侍のテーマ(音楽)が流れ、涙がじわっ。
勘兵衛のやさしさと決意を知り、侍ならずとも彼に惚れ込んでしまうシーンだ。

その後はテンポ良く侍集めのシーンが続く。宮口精二扮する久蔵が登場する果し合いのシーンはインパクト大。
やがて侍たちは村へ。侍と農民の間に緊張が走るが、菊千代(三船敏郎)の活躍でそれも回避。
野武士との戦いに備え、侍たちは村人を集めて訓練する。
その過程で菊千代が落ち武者狩りの武器を農民に差し出させる。
ここで再び侍たちと農民間に緊張が走る。侍たちははみな武者狩りで命を狙われたことがあるからだ。
その溝を埋めたのが、また菊千代だ。
菊千代「こいつはいいや。いったい百姓をなんだと思ってたんだ。百姓ぐらい悪びれた生き物はねえんだぜ」
百姓がいかに小ずるくて、悪賢いかと罵倒する。
農民出身の彼はそのことを良く知り、それが嫌で侍になろうとしたのだ。
菊千代「でもな、そんなけだものを作ったのは誰だ? お前たち侍だっ!」
ここで、涙どわーっ。菊千代の叫びが、胸に突き刺さる。侍に酷い目に合わされ、農民が嫌になった男。
三船敏郎の名演が光る。

続く
[PR]
by mahaera | 2008-10-31 09:57 | 映画のはなし | Comments(0)
<< ボブ・ディランの新譜『テル・テ... 映画『七人の侍』 その2 >>