ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

マーティン・スコセッシのブルースプロジェクト 「ピアノ・ブルース」


「ピアノ・ブルース」 監督クリント・イーストウッド

 これはこのシリーズの中でも珍しく、ブルースのピアノ・プレイヤーだけにスポットを当てた作品。監督は自身も作曲し、ピアノも弾くクリント・イーストウッド。イーストウッドのジャズ好きは有名で、以前チャーリー・パーカーの伝記映画『バード』を作っていたが、ブルースも好きだとは思わなかった。本作はシンプルな構成で、基本的にはピアノの前に座ったイーストウッドの横にさまざまなゲストがやって来て、おしゃべりし、プレイするというもの。イーストウッド版「徹子の部屋」と書いている人がいたがそんな感じだ。思い出話の合間に、昔の映像が挟み込まれていく。面白いと思ったのが、ふつうブルースではなくて「ジャズ」や「ソウル」のカテゴリーに入るミュージシャンたちも、同じ様に紹介されていくこと。ジャズもブルースという大きな音楽の流れとは、そう遠くないということか。

 最初に登場するのは大御所レイ・チャールズ。彼が影響を受けた音楽を語り、名前も聞いたことがない古いピアノ・プレイヤーたちの映像が流れる。知っていたのはデューク・エリントンぐらい。続いてディブ・ブルーベックが登場。ブルーベックとチャールズはアート・テイタムの演奏がすごいと褒め称える。そしてオスカー・ピーターソンの早弾き(本当にすごい。ギターでは不可能の音符の数)、ナット・キング・コールのピアノ演奏の映像へと流れていく。

 ピアノといえばニューオリンズ。次のコーナーではドクター・ジョンが登場し、ニューオリンズの音楽について語る。当然プロフェッサー・ロングヘアやファッツ・ドミノの映像も登場。次はシカゴ・ブルース系なのか、あまり知らない人たちが出てくるがジャンプ・ブルースがロックンロールとほぼ同じとも語られる。イーストウッドがブルースとジャズこそがアメリカのオリジナル芸術と語る。

 全編、イーストウッドのピアノ音楽愛に溢れた作品。90分たっぷりピアノ演奏が聴ける。しかしシリーズの中では、地味といえば地味な作品かも。
[PR]
by mahaera | 2008-09-23 10:16 | 映画のはなし | Comments(0)
<< マーティン・スコセッシのブルー... ランパーンの夜 >>