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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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ケン・ローチの映画

イギリスの映画監督でケン・ローチって知ってますか?
たぶん映画ファンでなければ知らない、地味な映画ばかりですが、
どれもクオリティが高く、TUTAYAにも何本かあるはずです。
彼の映画は、政府や権力、社会のシステムといったものが、いかに人々の心をすさませていくかを描いたものが多く、必ずしもハッピーエンドではありません。
でも、もっとも「ロック」の精神を感じさせる作家でもあります(劇中にはロックは流れません)。

彼のデビューは古く60年代の終わり。
学校でも家庭でも行き場がなくなっている貧しい炭鉱一家の少年が、
ある日トビ(タカ?)の子供を拾い、訓練して狩りをすることを夢見る映画『ケス』で注目を浴びました。
この映画、見ていない人がいたら、必見の名作です。
ロック好きなら、貧しい生活から抜け出すにはサッカー選手かロックミュージシャンになるしかないといわれた60年代のイギリスをイメージできます。
そして、びっくりするようなラスト。アメリカ映画ではありえません。

しかしケン・ローチはその後、20年近くほとんど映画をとることができなくなります。
彼がまたコンスタントに映画を作り出すのは80年代末から。
教会の聖体受領の儀式に娘に服を着さすためにあがく貧乏な父親を描いた『レイニング・ストーンズ』、しがないバスの運転手がふと好きになった移民の娘のためにニカラグアへ行く『カルラの歌』などもありますが、
数年前に公開された『SWEET SIXTEEN』が大お勧めです。
イギリスの田舎町で、親にも省みられず、暴力の中で必死に生きていく少年たちの話です。本当にひどい大人たちばかりですが、その中でも子供たちは何とかしなければなりません。カッパライや麻薬の密売、ようやく彼を認めてくれたのは親でも先生でもなく、犯罪組織でした。
絶望的な状況ですが、少年は母親と暮らすことを希望に生きます。
しかし母親というのが、また絶望的にダメな大人なのです。
この映画にもロックのマインドがあふれています。
腐った大人、腐った社会、しかし少年はノーという余裕もないのです。

そのケン・ローチの新作が今度公開されます。
『この自由な世界で』
この映画については、また今度書きます。

とにかく借りてもいいから見てください。
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by mahaera | 2008-06-02 23:17 | 映画のはなし | Comments(0)
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