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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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アクロス・ザ・ユニバース

前から期待していた映画『アクロス・ザ・ユニバース』を試写で見てきました。
これは舞台「ライオンキング」や映画『フリーダ』の女流監督ジュリー・テイモアが、
全曲ビートルズで作ったミュージカルです。

舞台は60年代。リバプールに住む青年ジュードが、まだ見ぬ父親に会いにアメリカへ旅立ちます。
父親との再会は期待はずれでしたが、そこでジュードは大学生マックスと出会い、友情が生まれます。またジュードはマックスの妹ルーシーに恋をします。
やがてジュードとマックスはニューヨークへ。
間借りしたアパートにはジャニス・ジョプリンがモデルと思われる歌手セディ、ジミヘンがモデルと思われるギタリストのジョジョ、猫のように窓から入り込んできた少女プルーデンス、兄を追ってやってきたルーシーなどが集い、楽しい日々を過ごします。
しかしマックスはベトナム戦争に徴兵され、ルーシーは反戦活動に身を投じ、愛し合っていたセディとジョジョの間にもメジャーデビューを期に亀裂が入っていきます。
ジュードはイギリスに強制送還。果たしてルーシーとの恋はいかに?

映画の中にはちょっと気恥ずかしくなるような演出もありますが、
冒頭、海辺にひとりたたずむジュードがアカペラで歌う「ガール」から
エンディングの「愛こそはすべて」まで
全編に流れるビートルズナンバーがとにかく強力。
そしておなじみの曲を、よくストーリーにうまく取り込んだと感心。

アメリカに向かうジュードがリバプールに残した恋人に歌う「オールマイラヴィング」
同性愛の少女プルーデンスがその隠した気持ちを歌う「抱きしめたい」
ルーシーに一目ぼれしたジュードが歌う「夢の人」
ジョーコッカーが一人三役で歌う「カム・トゥゲザー」
徴兵検査場でアンクルサムがマックスに呼びかける「アイ・ウォント・ユー」
She's so heavyが自由の女神なのには笑ってしまった。
U2のボノ扮するドクターロバートがマジックバスに誘う「アイ・アム・ザ・ウォーラス」
反戦活動にのめりこむルーシーへ向けた「リボリューション」
警官隊とデモ隊が殴りあい"何者も自分の世界を変えられない"と歌う「アクロス・ザ・ユニバース」

その他全33曲、なかなか楽しい2時間でした。
青春&恋愛映画なんですが、そこには明らかに9.11以降の世界観が含まれています。
若者は純粋に反体制であればよかった時代ではないのです。
60年代を描きながら、今の時代にそれを重ね合わせ、
暴力に暴力で対抗するこの世界に「No!」を言う。
そのメッセージが「リボリューション」であり「愛こそはすべて」でしょう。
(「リボリューション」は誤解している人もいますが、革命賛美の歌ではなく、その反対です)

日本公開は8月だそうです。
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by mahaera | 2008-05-18 23:19 | 映画のはなし | Comments(0)
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