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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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「食」の安全を考える ドキュメンタリー『未来の食卓』を観て

旅行人のウエブサイトに僕のレビューがアップされたので、このブログでも紹介します。

http://www.ryokojin.co.jp/tabicine/index.html

「おいしいコーヒーの真実」「いのちの食べ方」など「食」の安全に関わるドキュメンタリーが、相次いで公開されている。渋谷のアップリンクへ前に行った時、「おいしいコーヒーの真実」が盛況だったのに驚いた。僕自身は、けっこう無頓着なほうで、何でも食べる。じゃなきゃ、世界のあちこちに行けない。

だが、世界最大の農作物や肉の輸出国であるアメリカの食事情を描いた『ファストフード・ネイション』や『キング・コーン』などの映画を観ると、そんな僕でも考えこんでしまう。僕たちも農薬づけのとうもろこしや、抗生物質を与えられて三倍のスピードで肉をつけるウシと同じシステムの中で生かされていると。およそ自然とはかけ離れた状況で作られた食物(工場生産物と同じだ)を、安いから食べ続けねばならない僕ら。そして安い添加物だらけの食べ物で生きている僕らは、安い労働力を社会に提供する、「家畜」じゃないか。

この『未来の食卓』は、子供たち(人間の未来)を家畜化させないために、給食をオーガニックにした南仏の小学校を一年にわたり取材したものだ。それと平行して、パリのユネスコ本部で行われた「ガンと環境汚染」についてのシンポジウムの様子や、オーガニック食を導入した村の賛成派、反対派の討議の様子なども盛り込まれる。

僕のような有機農法に無関心な人にもわかるよう、映画は丁寧に解説してくれるのだが、あまりにも「オーガニック賛美」過ぎて、映画自体に毒とユーモアがなさ過ぎて物足りない。その点「キング・コーン」や「スーパー・サイズ・ミー」のようなアメリカのドキュメンタリーのほうが自虐的なブラックユーモアがあり、見ていて面白い。が、現実は面白がってばかりじゃいられない。もう、中年の僕は、マックのハンバーガーも時には胃にもたれて気持ち悪くなるし、濃厚な「町田家」のラーメンも、体調によっては食べて後悔する。健康も考えないと、実際に生活に支障をきたす歳なのだ。

自分はまあいいが、自分の子供たちには、ちゃんとしたものを食べさせたいと思うのが親。子供を連れてファストフード店に入ることはあるが、なんか食べ物というより、エサを与えている気分になる。これじゃいけないと思う。目に見える、近くでとれたものを食べさせてあげたいが、食料自給率が四割しかない日本では、口にしているものの半分以上が、外国産。贅沢な悩みかも。おりしもコンビニの弁当問題がニュースで取り上げられているが、「品揃えがいい店に客は行く。ある程度廃棄されるのは仕方がない」というコメントがあった。心を入れ替えねばならないのは、企業ではなく、私たち自身だった。
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by mahaera | 2009-07-20 17:39 | 映画のはなし | Comments(0)
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