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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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映画『ノウイング』とニコラス・ケイジを語る


監督が僕の好きな映画『ダークシティ』のアレックス・プロヤスということと、その彼の前作『アイ、ロボット』が知性のかけらもない「オレ、ウィル・スミス」映画でがっかりだったことから、期待半分で見たが、出来はというと、「もう少しでトンデモ映画になったが、いまひとつはじけ切れなかった宗教SF」になってしまった。
数十年前に埋められた小学校のタイムカプセルから、現代に至るまでの大災害が起きた場所と時間、死者の数が書かれた紙が見つかる。
シングルファーザーの大学教授ニコラス・ケイジがそのことを発見し、謎を解こうとするが、事故は予定されていたように防げない。そして何か能力を持つ彼の息子を不思議な男達が監視していた。そしてその予言の紙の最後には、人類絶滅のときが書かれていた…。

ここ数年、ニコラス・ケイジはすごいと思う。一年に3~4本の主役をコンスタントにこなし、それがどれも映画史に残らないようなB級作品ばかり。かつては『月の輝く夜に』『赤ちゃん泥棒』といった粋なコメディ、アカデミー主演男優賞を獲得した『リービング・ラスベガス』のようなシリアスドラマにも出ていたケイジだが、『ザ・ロック』以降はアクション系に転向。演技も派手になり、『フェイス/オフ』の狂気と号泣演技で、その後のケイジの演技のパターンを確立。
日本では「おもしろい顔」の人だが、アメリかではモテ顔なのか主演作品が続々と公開。

ちなみに彼の本名はニコラス・コッポラ。
言うまでもなく、『ゴッドファーザー』の監督フランシス・フォード・コッポラは叔父さんである。
芸名のケイジは、アメコミの主人公のように、大のアメコミ・ファン。また大のプレスリーファンで、コレクターとしても知られている。前妻のリサ・マリー・プレスリーはプレスリーの娘。
そしてケイジの息子の名はカル=エル。「スーパーマン」からとられた名前である。
その他、「スーパーカー好き」「ラモーンズのジョーイ・ラモーンと友だち」など、オタク気質満載で、なぜか日本のパチンコのCFにも登場していた。

2000年以降の、ヒットしたけど映画史には残らない彼の作品群を上げると
『60セカンズ』『ウインドトーカーズ』『天使のくれた時間』『コレリ大尉のマンドリン』『ゴーストライダー』『ナショナル・トレジャー』『NEXT』『ウィッカーマン』『バンコック・デンジャラス』…。
彼の出ている映画は、すべて「ニコラス映画」だ。
どう見ても映画の中の役の人物には見えない。映画を観ていてもずっとニコラス・ケイジにしか見えない。
そういいう意味では「オレ、ウィル・スミス」「オレ、トム・クルーズ」と同じなのだが、ニコラスの場合は決してお高いところはない。嫌味を感じさせないところが、魅力なのだ。

いろいろ書いてきたが、わが家ではニコラス・ケイジは人気だ。
映画がどんなにつまらなくても、彼の顔を見ているだけで飽きない。
もちろんダメ映画ばかりでなく、『ロード・オブ・ウォー』『アダプテーション』のようないい作品もある。
しかしそれは、作品の役柄が彼にマッチしたとき。ケイジはもう役作りをほとんどしていないと思う。

さて『ノウイング』。聖書の予言に絡めたSFだが、いったい宇宙人は何のために予言を残したのかという疑問は解けず(『地球が静止する日』のキアヌのよう)、この話自体も意味があるのかという基本的な疑問が残る。というか、もう少しで『フォーガットン』のようなトンデモ映画になったのに。
しかしそんな映画でも、ケイジは輝く。
まったく宇宙物理学を教えてそうな知的な役には見えないし、シングルファーザーも似合ってない。
ただニコラス・ケイジがそこにいて、走って泣く。

やはりケイジはすばらしい。
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by mahaera | 2009-07-26 10:24 | 映画のはなし | Comments(0)
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