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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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8月下旬~9月公開映画レビュー『ノーボーイズ、ノークライ』『ドゥームズデイ』『地下鉄のザジ』他

■『ノーボーイズ、ノークライ』 公開中 ★★★☆
『ジョゼと虎と魚たち』の脚本などで知られる渡辺あやのオリジナル脚本を、日韓共同で製作。クレジットを見ると監督、録音、編集は韓国スタッフ、撮影、証明、美術、音楽などは日本スタッフの混成チーム。主演は『チェイサー』のハ・ジョンウと妻夫木聡。体は大きいが少々トロいハ・ジョンウが、叔父のために小船で密輸の仕事をしている。日本側でいつもジョンウを迎えるのが、無口で陰気な若者の妻夫木。ある日、ジョンウが運んだ荷物は眠らされている若い女。しかしその女が逃げ出してしまい、ジョンウは妻夫木に助けを求めるが…。
 日本海の港町を舞台に、まるで70年代の行き詰った男たちを描いた青春映画を観ているような感覚にとらわれた。妻夫木はいつもの「おばさんたちに愛されるような好青年」ではなく、「家族から逃げ出したいがそれが出来ず未来に絶望してあがいている若者」と、いつもと異なった役柄。行き場の無い二人の男達をとことんカッコ悪く描くのは70年代風。途中、2人がカラオケ大会でパフィーを歌うシーンは、いい息抜きとともに、セリフはなくとも心の交流を見せるいいシーン。やはり渡辺あや脚本の『メゾン・ド・ヒミコ』にも似たようなダンスシーンがあったが、あちらは長すぎて嫌だったが、こちらはちょうどいい。名作ではないが、名画座で二本立てでみたいような気にさせる青春映画。

■『パティ・スミス ドリーム・オブ・ライフ』 公開中 ★★☆
パティ・スミスについての映画で、音楽ものを期待すると肩透かしを食らう。もちろん日本公演を含め、ライブシーンもあるのだが、11年間に及ぶ映像をもとにし、彼女をいろんな面から多角的に見ようという主旨の作品なので、とまどうかも。何しろ小さな子供だった息子が、最後のほうではパティ・スミスのバンドでギターを弾いているのだから。ディラン好きとしては、ディランにあこがれていたパティが、友人のサム・シェパード(劇作家、ディランのローリングサンダーレビューに随行)とディラン話をして、ギターを軽く弾き合うシーンがいい。「このギター、ディランも弾いたの」というセリフも。パティといえば、ロバート・メイプルソープ撮影による「ホーセズ」のジャケット写真が有名だが、友人だったメイプルソープ、ギタリストで夫のフレット・スミス、実弟など、短い期間に親しい人を次々と亡くしていった「痛み」も本人によって語られていく。ちゃんと作ってある作品だが、僕のようにあまりパティ・スミスを知らない人には、魅力が薄いかもしれない。

■『ドゥームズデイ』 9月19日より ★★
ホラー映画はあまり見ない僕だが、それでもニール・マーシャル監督の、イギリスの山間に現代も生きる狼人間と兵士達の戦いを描いた『ドッグ・ソルジャー』とか、女ばかりで地下に降りていったら地底人間に襲われるという『ディセント』は楽しめた。なのでこれも期待して見に行ったのだが、見事に期待はずれ。おそらく予算は今までの数倍に膨れ上がったのだろうが、『マッドマックス2』や『サラマンダー』『バイオハザード』で見たような、使い古された「荒廃した近古来」はまるで新鮮味がないし、ヒロインもいまひとつ。悪役も類型的で、すべてどこかで見たような印象ばかり。舞台は殺人ウィルスの蔓延で隔離されたスコットランド。そこへワクチンを探しに、イングランドから精鋭部隊が送り込まれる。そのリーダーは若き女戦士。人類が死滅したはずのスコットランドだが、生き残った人々がいた。しかし人肉を食らうなど凶暴な集団と化していたのだ…。というストーリーです。

■『地下鉄のザジ』 9月26日 ★★★★☆
1960年のルイ・マルの名作のリバイバル。もう七~八回は見ているかと思う。それまでデビューから『死刑台のエレベーター』『恋人たち』という名作を立て続けに発表していたマルによる初めてのコメディで、当時の人はかなり驚いたんじゃないだろうか。週末、パリでおじさんに預けられた少女ザジをめぐるドタバタコメディ。スラップスティックコメディなのに、登場人物のセリフも多いのがフランス的。口笛のメロディーもノスタルジックでいい。好きな人は好き。そんな映画。
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by mahaera | 2009-09-01 15:31 | 映画のはなし | Comments(0)
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