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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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『シェーン』を何十年かぶりに観て思うこと。思い違いなど。

今日は昨日の酒が残っていたのか、朝は遅いスタート。
駅前のドトールで朝兼昼のサンドを食べながら、仕事をしてました。
仕事の話はあまりここでは書いてませんが、それなりにしてます(笑)

さて、前にBSで録画してあった西部劇『シェーン』を観た。

今も忘れない、小学六年生の四月、僕は水野晴夫の水曜ロードショーでこの映画を観た。
我が家に導入されて間もないテープレコーダーをテレビにつなぎ、音声を録音しながら。
シェーンのカッコ良さにしびれながら、最後の別れのシーンに涙、涙。
1953年の映画だから、僕が観た1972年だとちょうど20年前の映画ということになる。
現在から20年前の映画というと、『インディ・ジョーンズ最後の聖戦』や『レインマン』だから、当時としてはそんなにオールドムービーという感じてもなかったのだろう。
この四月にテレビ放映された、この『シェーン』や『ベン・ハー』、『007ゴールドフィンガー』などが、僕を映画の道を呼び込む大きな力となった。

雪が残るワイオミングの山々。そのふもとにある農場に、ひとりの流れ者シェーンがやってくる。
農場には誠実な農夫と美しい妻、そしてまだ幼さが残る10歳ぐらいの少年が暮らしている。
ちょっとしたきっかけで、シェーンはこの農場の雇い人になる。彼には人には言えない過去がありそうだが、決してそれを口にしない。
広い草原を囲いで囲み、農作物を作る農民達は古くからの牧場主と対立する。いままで自由に放牧していた牛たちが、柵に囲まれて移動できなくなるからだ。
やがて牧場主側の嫌がらせは、エスカレート。殺し屋ガンマンを呼び寄せ、農民の1人を撃ち殺す。
誠実な農夫は銃を取って牧場主のもとへ向かおうとするが、それを止めたのはシェーンだった。
シェーンは打ち合いの末、殺し屋や牧場主一味を倒すが、銃弾を受けてしまう。
馬上の人となり、山のほうへと去っていくシェーン。それを見送る少年ジョーイ。
ただ、「シェーン! カムバック!」の声がこだまするばかりであった。。。

高校生ぐらいのときにまた見たことがあるが、ちゃんと見直すのはすごい久しぶり。
そしていつもテレビの吹替え版(短縮版)で観ていたので、今回、「あれ?」と思ったことがあった。

まず冒頭、シェーンの登場シーン。
シェーンが牧場に姿を現すシーンで、話には聞いていたが、遠くだがはっきりと後ろをバスが走っている(笑)
撮影中、いや編集時に誰も気づかなかったのかなあ。

で、本編は115分ぐらいあるのだが、2時間弱のテレビの映画劇場だとCMを抜くと放映時間は90分弱になる。つまり25分はカットしなければならない。なので、今回初めて見た25分ぶんぐらいのシーンがあった。
シェーンが鉄条網を張っているところ、シェーンが途中で殴り倒した悪者の一味の男が反省してシェーンに陰謀を教えに来るところ、独立記念日のダンスシーンなどなど。
とくにシェーンが悪者を最後にやっつけに町へ行くのだが、その道のりが省略されていたことに気づいた。
あと完全に、最後の対決シーンは昼間だと思っていた。あの「シェーン! カムバック!」のシーンも実は夜だったのだ。
シェーンが夜の荒野を街へ馬に乗っていく。その後を少年と犬が追いかけていく。空には白い雲が。
いいシーンなのに、見たのは今回初めてだったわけだ。
そしてシェーンが見送る少年を振り向きもせずに、山へと馬を進めるラスト。
ここが青い山を背景にした昼間だと思ったのは、この映画を紹介するときに必ず出てくるスチール写真が昼間だったからなのだろうなあ。
映画のシーン自体、カメラにフィルターをつけて夜のシーンとして撮影していたわけで、そのシーンを撮ったスチルは当然昼だったわけだが、それがこの映画のイメージとして定着してしまったわけだ。
なので、あの有名なシーンが夜だったというのは、いかに僕の「鮮烈な記憶」もあいまいだったかと考えてしまった。

ラスト、馬上のシェーンの左手はだらりと垂れ下がって動かない。また顔もうつむいたままだ。
きっと彼はこのまま撃たれた傷がもとで死んでしまうのだろう。そんなことを暗示させる。
もっとも小学生だった僕は、映画の中のあの少年のように、シェーンが致命傷を負っていることには気づかなかった。

そんな風に、映画を久しぶりに見たら、思い違いをして記憶していたということは時々ある。
あんなに大感動したのに、今見たらなんてことはなかったということも。
いい映画には、それを観たときの年齢や人生経験相応の感じ方があるのだろう。
逆に自分の中で評価があがるというものもある。
『シェーン』は今となっては、演出やセリフが古臭い感じがする。
むしろ今では『シェーン』のリメイクといってもいい、クリント・イーストウッド監督・主演の『ペイル・ライダー』のほうが好みかもしれない。シェーンはちょっと色男過ぎて(笑)

重松清原作の『青い鳥』の映画を観たときは、その『ペイル・ライダー』のイメージが重なったが、原作小説を先日読んだら、『ペイル・ライダー』のイメージはまったくなかった。映画もいいが、小説も感動的だ。
話がずれてきたが、今度、機会があったらその『青い鳥』の話でも書こう。

『シェーン』でひっかかったのは、シェーンが子どもにせがまれて、射撃の実演を見せるシーン。
母親がシェーンに「うちの子には銃は必要ありません」というと、シェーンは「銃は農具と一緒でただの道具だ。それを使う人によって使い道が決まる」みたいなことをいうが、それは銃規制に反対する人の典型的な言い分だ。ただ、『シェーン』は銃を全面的に肯定しているわけではなく、「銃で身を立てるものは銃によって滅ぶ」とも示し、正義のヒーローであるシェーンもラストに撃たれてしまう。
娯楽映画だから、最後はガンファイトによって決着がつくが、「銃を使って解決しようとするものに勝者はいない」というのもテーマのひとつということは、この歳になってわかった(笑)
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by mahaera | 2009-10-06 02:16 | 映画のはなし | Comments(0)
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