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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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『ウルルの森の物語』の仕事 その2 齊藤慶輔先生インタビュー

で、続き。

この映画で、子ども達の父である獣医師のモデルとなった、
実際にいる獣医師・齊藤慶輔先生に電話インタビューすることになった。
劇場用のパンフレットに掲載するためだ。

「実際に会って」ではなく、電話となると、なかなか大変だ。
親しい人ならともかく、ちょっとしたニュアンスとかわかりにくそうだし。

まずは、齊藤先生がテレビで取り上げられた
NHKのプロフェッショナルの映像で予習。
最近は何でもYoutubeにアップされているので、こんな時は便利。

子ども時代をフランスのベルサイユで過ごし、
自然や野生動物に親しんで育ったことや、
帰国後、畜産系の大学を卒業し、最初は動物病院で働いていたが、
やがて野生動物専門の獣医へ。
現在は北海道で猛禽類医学研究所の代表も勤めている。

僕が用意した質問、パンフレット制作会社が用意した質問、
あわせて45分ほどの電話インタビュータイムになった。
専門のことになると、けっこう話される方で、あとでテープ起こしをすると、
1万2000字にも及んだ(ほぼ2日仕事)。
しかし、結局パンフレットに掲載されたのは、
その10分の1の1000字程度。

使用されなかったところが、なんだかもったいないなあ。
先生もどこが掲載されるかわからないので、一生懸命話されたのだと思うし。

先生の考えの基本は、「野のものは野に返せ」ということ。
ケガや病気で保護された野生動物は、最終的には自然に帰す。
動物園で飼われている野生動物は、厳密にいえば野性動物ではない。
人からエサをもらうことに慣れてしまっている。
だから、治療をした後、動物達が「野生」を取り戻せるように、精神面でのリハビリも怠らない。

映画でも、治療が終わったシカを野生に帰す時、
なかなか森に戻らないシカに爆竹を投げつけるシーンがある。
「人間は怖い」ということを覚えさせなければ、一度人に親しんだ動物は、また里に出てきてしまう。

その他にも、鉛の弾丸で撃たれた動物をオオワシが食べ、
鉛中毒で死んでしまう問題や、
道路は見通しがいいため、ネズミなどの小動物を獲る絶好の狩場になり、
猛禽類の交通事故も少なくないこと、
高いところに止まる鳥類が電線で感電する事故があとを立たないこと、
そんな興味深い話を聞かせていただいた。

この映画、は12月19日から全国東宝系で公開です。
小学生くらいのお子さんと安心して見られます。

公式ホームページはこちら

齊藤先生の猛禽類研究所のホームページはこちら
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by mahaera | 2009-12-06 10:42 | 仕事のはなし | Comments(0)
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