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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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カルト映画として残るかも 『ウォッチメン』を観る

『ウォッチメン』 ザック・スナイダー監督 をレンタルDVDで観た。

年末の週末、毎週のようにTSUTAYAが半額キャンペーンをしている。
いくらたくさん借りても、品切れになることないもんねぇ。映画やドラマは。

さて、今年公開されたときは、まったくのノーマークだった映画『ウォッチメン』をDVDで観た。

オープンニングのあと、ボブ・ディランの「時代が変わる」に載せて映る
タイトルバックで一気に引き込まれた。
舞台は1985年のアメリカだが、私たちの知っている世界とは異なる、パラレルワールド。
そこでは、マスクをつけたヒーロー達が活躍する世界だが、
ふつうのアメコミと違い、現実の世界にそれらのヒーローたちを登場させたような生々しさがある。

1940年代に犯罪者と戦うためにふつうの人よりも強い能力を持つ者達で結成されたウォッチメン。
世代が変わり、二代目たちが活躍しているが、ヒーローたちによる活動は非合法になり、
あるものは引退、あるものは政府の諜報員、あるものは身を隠して自警団的な活動をまだ続けている。
民衆は政府の手先となって、デモや政府への抗議を鎮圧するウォッチメンたちに懐疑的だ。

この世界では、原子力の事故により神に近いヒーローDr.マンハッタン
アメリカに誕生したことで、現在の世界の歴史とは違った歩みを見せている。
Dr.マンハッタンらの活躍により、ベトナム戦争ではアメリカが勝利
その前にケネディもウォッチメンのひとりにより暗殺されて、
ニクソンが憲法を改正して三選されている。
アフガニスタンを占領したのもアメリカで、ソ連は逆にそこに侵攻しようとしているのだ。
強大な力を持ち、軍事国家となったアメリカとソ連と冷戦は、ギリギリのところまできていた。

物語はウォッチメンのメンバーの一人が殺害されたことから、
ロールシャッハというかつての覆面ヒーローが謎を探るかたちで、
かつてのウォッチメンたちを訪ねていくところからはじまる。
ヒーローといっても、体を復元できる力を持つDr.マンハッタン以外は、
普通の人間よりは強いが生身の体を持ち、銃で撃たれれば死ぬ。

R-15指定
を受けたように、「そこまでリアルにしなくてもいいのに」というほど、血しぶきが飛び散る。
ヒーローが悪人を殺せば血が飛び散り、粉砕されたからだが天井にべったりつく。
そう、彼らは「人も殺す」ヒーローなのだ。ヒーロー達のセックスシーンも描かれる。
そしてヒーロー達の死も。

原作のアメコミは読んでいないが、アメコミの質感を映画的に再現した画面はすごい
映画『シン・シティ』を観た時にそのビジュアルに驚いたが、これはさらにそれを発展させた感じ。
映画は、「核戦争による人類絶滅をいかに防ぐか」という、大きな問題が描かれているが、
ヒーローたちがとった選択は、従来のものとはまったく違い、
正しいのだろうが、こちらの善悪の倫理観を逆なでするようなものだ。

カルト映画になるだろうというのは、たぷん膨大な原作を短く(それでも2時間40分ある)したため、
いたるところに説明不足が感じられること。
しかし、二度見ると、ちゃんと伏線が張られていたりするのに気づくこと。
映画だけではわからない裏設定がありそうだし、
またヒーローたちがそれぞれ何かの象徴だと深読みも出来るのだ。

DVDで何度も見直したい。
そんな気にさせる『ウォッチメン』は、『ダークナイト』を凌いでいる作品だが
たぶん日本では当たらなかったんだろうなあ。

★★★★
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by mahaera | 2009-12-07 14:31 | 映画のはなし | Comments(0)
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