人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

伊坂幸太郎原作 映画『フィッシュストーリー』をDVDで観る

前にも書いたかもしれないが、最近、妻が伊坂幸太郎にはまっている。

いくつかの関連のない事件や人々が、
最終的に絡み合っていくという伊坂ワールドは、映画化にぴったりなのか、
毎年2本ほどのペースで映画化されている。

この『フィッシュストーリー』もそのうちのひとつで、
今年の春ごろ公開された。
監督は『アヒルと鴨のコインロッカー』で、
伊坂作品を映画化したことがある人。
あれは、けっこう面白い映画だった。前知識なく観たので、
「思わぬ拾いもの」という感じ。

今回の原作は読んだことがないのだが、映画はけっこう面白かった。

物語はいくつかの時間軸で構成される。

2009年(現在)、巨大彗星が地球に接近しており、
あと5時間で激突は避けられなくなっていた。

津波を恐れて、住民はみな高台に避難したが、
町のレコード店では店主と常連が話をしている。
そこでかかっているのは、ピストルズよりも前にデビューし、
まったく売れなくて解散したパンクバンドの曲
「フィッシュストーリー」だ。

1970年代、激しい演奏をするバンドメンバー。
契約にこぎつけるが、アルバムは売れず、最後のレコーディングに。
作詞に悩むリーダーの前に、
回収されて一冊しか残っていない「フィッシュストーリー」の翻訳本の言葉が目に入る。

1980年代、気の弱い青年は仲間たちにはむかうことが出来ない。
合コンの席で予知能力があるという女性に、
「この中に地球を救うものがいる」と言われるが…。

2000年代、大型フェリー船の中。眠っていて、
東京で降り過ごした修学旅行中の女子高生。
船はそのまま北海道へ向かうが、
突然船はシージャックの一団に襲われる。
その時、「正義の味方」が現れる。

戦後まもないころ、ハーフと間違われた男が出版社で翻訳をしていた。
その本のタイトルは「フィッシュストーリー」

繰り返し流れる「フィッシュストーリー」の曲が、
キーワードとなり、人々の間をめぐっていく。
果たして、人類はこのまま滅んでいくのか
。そして、この曲は、全体のストーリーとどう関わっていくのか。

特定の主人公はいないが、
その語り口とコミカルな演出の歯切れよさもあり、
まったく飽きさせない展開。
欲を言えば、俳優の演技のテンションに差があり、
ところどころそれが気になることか。
まあ、これは邦画はみんなそうなんだけどね。

「フィッシュストーリー」とは「魚の話」ではなく、「ほら話」のこと。
『ビックフィッシュ』って映画、あったでしょ。あのこと。

なので、この話自体も、「まあ、ほら話として聞いてください」といったノリ。
「風が吹けば桶屋が儲かる」
その言葉が頭に浮かんだ。
by mahaera | 2009-12-09 10:36 | 映画のはなし | Comments(0)
<< ローカルネタです 「元傭兵・テ... 地元、小田急相模原T-ROCK... >>