傑作ではないけど、そこそこ面白かった映画を2本。
コーエン兄弟の新作 『バーン・アフター・リーディング』は、
シリアスな前作(ユーモアもあったけど)の『ノー・カントリー』とうって変わったコメディだ。
CIAを辞めた元幹部(ジョン・マルコヴィッチ)が自伝小説を書き始める。
その妻(ティルダ・スウィントン)は、政府の役人(ジョージ・クルーニー)と浮気中。
彼女は夫と離婚しようとして、自分に有利なように、夫のパソコンからデータを盗み出す。
が、そのCDをフィットネスクラブで落としてしまう。
それを拾った、クラブで働く女性(フランシス・マクドーマンド)は、
全身整形のための資金欲しさで、同僚(ブラッド・ピット)と元幹部をゆすろうとするのだが…。
日本ではヒットしなかったが、アメリかではコーエン兄弟最大のヒット作になった本作。
コーエン作品では、『ディボース・ショウ』『ビッグ・リボウスキ』のような皮肉のきいたコメディ系の作品で、
とにかく出てくる人たちが、みなおろかで、笑わせてくれる。
フィットネスクラブのトレーナーで、筋肉バカのブラッド・ピットはとくにおかしい。
出会い系サイトに熱を入れるジョージ・クルーニーとかも。
めぐりめぐって、話はどんどんややこしくなるのだが、最後はわりとあっさり終わる。
日本だと、こうしたオールスターキャストの映画は、
隠し芸大会的になりそうだけど(同じ日にDVDで観た『ゲゲゲの鬼太郎』はひどかった)、
本作では俳優達が生き生きと、ダメ人間役を演じていて楽しそうだ。
一瞬バイオレンスもあるんで、子どもにはきついかもしれないけれど、
楽しく観た。