デリーからバグドグラ行きの飛行機は一時間半遅れで、
空港で結局三時間近く待つことになったが、
なぜか予定では経由地があるのにそれを飛ばし、直行になったので結果的に
最初の予定よりも30分も早く現地に着くことになった。
よくわからん、インド。
空港からバスターミナルへ移動中の道筋では、
ホーリーで頭から紫色に染まった人ばかり。
でも、もう色水をかけている人は誰もいなかった。
町中の人が色に染まっているわけでもなく、普通の身なりの人たちもいる。
リキシャワーラーたちも染まっていない。
ある時間が過ぎてから表に出てきた人たちだろうか。
ともかく、空港からスィリグリーの町へ移動し、
そこから乗り合いジープでカリンポンへ。
町を出て1時間もしないうちに、ジープは山間の渓谷に入っていく。
ところどころ道が悪くなっていて、
眼下の崖下を流れる清流に落ちやしないかと思うことも。
最後の30分は山道をぐんぐんと登り、
山頂近くにあるカリンポンに着いたのは午後4時だった。
町はほとんどの商店が閉まり、また車も少ない。
やはりホーリー休みの影響なのだろう。
安宿にチェックインして、外へ出たらもう薄暗くなってきた。
町は尾根の斜面に開けているが、太陽が反対側に沈むので、
暗くなるのが早いのだ。
安宿の門限は夜九時。
6時だが夕食にと、メインストリートにある
「キング・タイ(金泰)」というレストランへ。
コンガと生ギターによるデュオが、ステージで歌謡曲のような歌を歌っていた。
町のイケてる若者たちが、酒を飲んでいる一方、家族連れもいて、
父親が嫌がる小さな娘とステージ前で踊っている。
壁にはなぜかボブ・マーリーの絵が。
レストラン&バーの閉店時間は九時。
この町ではバーも九時には閉まってしまうのだろう。
その翌朝(今日)、起きて外に出ると町は通勤通学の人々で活気に満ちていた。
商店もみな開いているし、町の中心はバスやら乗り合いジープで混雑している。
通常営業に戻った町の顔がそこにあった。
この町の住民の多くはチベットかネパール系なので、
顔だけ見たらほとんど日本人のような人たちも多い。
チベット系の仏教寺院を見学し、いくつかホテルめぐりをして、
今度は隣のスィッキム州の州都ガントクを目指す。
乗り合いジープに乗ったが、このジープ、後部座席は横すわりで、
急な山の斜面を30分に渡り、降りているうちに酔ってしまった。
そのままだと気持ち悪くなるので、寝てしまう。
ようやく川沿いの下の道に出て落ち着く。
一時間ちょっとで、州境のランポのチェックポイントに着く。
ここでスィッキムのパーミットを取った。
外国人がこの州に入るには、パーミットを取らなくてはならないのだが、
手続きは簡単。20分ほどで終了。
ランポからは席に空がある乗り合いジープを見つけ、ガントクへ。
以前来た時とジープが到着するところが変わっており、
ちょっと迷うが、なんとか町の中心に出てホテルにチェックイン。
ここに来るのは五年ぶりぐらいか。
目抜き通りのMGロードがきれいに舗装された歩行者専用道になっており、
この道に面した建物がみな一様に、緑色に塗られているのに驚いた。
通りには以前にはなかったような、小じゃれたカフェがいくつもできていた。
夕刻四時を過ぎるとどんどんと暗くなり、六時ごろに小雨が降り出す。
インドで雨に降られるのは久しぶりだ。
バングラでは一度も降られなかった。
やはり山の天気なのだろう。
雨が降り出すと途端に寒くなり、部屋で予備の毛布を引っ張り出す。
明日は晴れるといいのだが。