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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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マハエラ的カルト映画館 『赤い影』

『赤い影』という映画を知っていますか?
1973年製作のイギリス、イタリア合作のサスペンス・スリラーで、
一部の映画ファンの中ではカルト映画として有名だった作品だ。

イギリス。
バクスター夫妻は水の事故で小さな娘を失ってしまう。
数ヵ月後、心の傷がいえない2人は、息子を寄宿学校に残し、
ベニスへ向かう。夫の仕事は古い教会の修復工事の監督だ。
ある日、夫妻はレストランで年老いた姉妹に出会う。
盲目の妹のほうは霊感があり、自分は赤いレインコートを着た小さな子供が見えると言う。
とりあわない夫だが、妻はこの姉妹に再び会いに行く。
そして娘の言葉を借りたこの老姉妹から
「ベニスを去らなければ夫の命が危ない」と告げられる。
一方、夫のほうは、ベニスの街角で、たびたび赤いレインコートを着た
小さな影が走る姿を何度も目撃していた。あれは幻影なのか。
そして、ベニスで起きる連続殺人事件。
やがて、映画は意外な方向へ一気に加速していく。

70年代の映画らしく、テンポはゆったり。
監督は『アラビアのロレンス』、『ドクトルジバゴ』、『華氏451』などで
撮影をつとめ、監督に転進したニコラス・ローグ
代表作はこれと『地球に落ちてきた男』ぐらいだが、本作でも
凝りに凝った映像が見られる。
主演はドナルド・サザーランドとジュリー・クリスティー

赤の一点効果や、鏡に映る映像を強調。
激しいアクションや残酷シーンはないけど、どんどん不安をあおっていく。
謎を全部合理的に解決しようとしないのも、70年代的。
最近の映画しか観たことがない人は、よくわからないかもしれない。
主人公たちが異国に来た夫婦で、言葉もうまく通じないことから、
ふたりの絆が深まっていくという設定もいい。
異国、しかも迷路のようなベニスということで、すべてが怪しくも見えるし。

かなり前に一度だけベニスに(しかも映画と同じように閑散期の冬に)、
行ったことがあるが、車が走る道路がないこともあり、
道に迷ってしまうことがたびたびあった。
人通りがない、さびしい小道をうろうろしているうちに、
いきなり人が多いメインストリートに出て、
「ああ、こんなに近かったんだ」とこの映画の主人公たちのように感じたこともある。

さて、当時、劇場で悲鳴が上がったというエンディングだが、、、
今見るとそうでもないが(そんな映画多いんで)、公開当時に見たらショック強そう。
そして、尾を引きながら劇場出ることは必至だろう。
ミステリーなんで、ここに書けないのは残念だが、
ネタバレを書いているブログもあるので、注意を。
僕は「えっ!」となりました。そしてまだ尾を引いてます。。。
傑作じゃないけど、印象に残るオカルト寄りのスリラーです。
これから赤いレインコートの子供を見かけるたび、この映画のことを思い出すでしょう。
見終わった後、あれこれ考える映画ってのも、最近少なくなった気がする。

おすすめ度★★★★ TSUTAYAにあります。
原題は「Don't Look Now」
原作はダフネ・デュ・モーリア。彼女の原作の映画化『レベッカ』『鳥』も傑作!
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by mahaera | 2010-05-15 09:59 | 映画のはなし | Comments(0)
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