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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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マハエラ的カルト映画館 『ダニー・ケイの天国と地獄』

この映画、子供の頃にテレビで見て印象的だった。
もちろん、ストーリーを全部覚えていたわけじゃない。部分部分なんだが。

ダニー・ケイは1940~1950年代に活躍したアメリカのコメディアン
歌も踊りも得意だが、ミュージカルスターというわけではなく、
音楽を題材にしたネタのギャグを、自分の得意技としていた。
代表作はビング・クロスビーらと共演の『ホワイト・クリスマス』
空想がちな男を演じた『虹を掴む男』
実在のコルネット奏者の半生を描いた『五つの銅貨』
日本では谷啓の芸名が、ダニー・ケイの名前を参考にした。

この『天国と地獄』のストーリーはこうだ。
ステージ芸人の兄は、ある殺人事件の目撃者となり、
法廷で証言するのを恐れた犯人の仲間によって殺されてしまう。
一方、図書館で勉強することしかできない双子の弟がいる。
2人は瓜二つ。
この堅物の弟の前に、死んだ陽気な兄の霊が乗り移る。
そして、ステージにあらわれ、めちゃめちゃな芸を。
死んだはずだと思っていた男が現れ、ギャングたちは
再び主人公の命を狙いだす。

とまあ、こんな感じだが、基本的には
ダニー・ケイの芸を見せるためのストーリーといっていい。
オープニングでは、バリ島もどきのダンス(タイやインドも混じっているが)と歌。
1950年ごろだと、まだテレビ以前の時代だから、情報も少なかったんだろうなあ。
というか、最新の音楽を取り入れていたのかも。
ミュージカルシーンは物語を停滞させると、子供の頃は思っていたのだが、
いまはその逆。ビートルズの映画なのに、ドラマばっかりじゃというのと同じ。
で、劇中の歌や踊りがとても楽しいのだが、
クライマックスのオペラのシーンがハイライトか。

犯人に追われた主人公は、真実を告げようとオペラ鑑賞中の検事のもとへ。
ところが犯人たちに見つかり、楽屋に逃げ込んだ主人公は
オペラの主役の衣装を身にまとう。
そこで本番が始まり、エキストラたちに担がれた主人公は
舞台へ無理やり連れて行かれ、歌を歌わなければならない羽目に。
相手役の女性の歌に合わせて、適当なイタリア語で歌う主人公。
やがて観客席の中に検事の姿を見つけ、英語で犯人たちのことを歌いこもうとする。
それを歌いながら阻止しようとするオペラの共演者。
指揮者は頭を抱え込むが、観客にはわからないし、大うけする。

まあ、ありえない能天気な話だが、何度見ても楽しい。
レンタルDVD店の棚にあったら、借りてみてほしい。
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by mahaera | 2010-05-22 10:09 | 映画のはなし | Comments(0)
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