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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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マハエラ的カルト映画館 『バード★シット』

『バード★シット』  1970年/アメリカ  監督:ロバート・アルトマン
新宿武蔵野館にて公開中

1960年代後半から始まった、アメリカン・ニューシネマの豊穣ぶりを示す作品
アメリカン・ニューシネマは、ちょうどロックの全盛期とかぶり、
やっぱり始まりと終わりも一緒だった。

テキサスのヒューストン。
完成したばかりの屋内野球場アストロドームの地下に、
青年ブルースター・マクラウド(バッド・コート)が隠れ住んでいる。
自力で空を飛ぶために、翼のついた装置の開発や肉体の
トレーニングに余念がないブルースター。
そんな彼を支えているのが、背中に羽をもがれたような傷跡がある
鳥の化身のような謎の女性ルイーズ(サリー・ケラーマン)。

そのころ、市内では謎の連続殺人事件が発生。
被害者はすべて“鳥のフン”にまみれていた…

監督は『M★A★S★H』、『ギャンブラー』、『ナッシュビル』など、
70年代に数々の名作を放ったロバート・アルトマン
鳥学の講義をする教授、鳥フン連続殺人、
人力で空を飛ぼうとする童貞少年、背中に翼の痕跡がある謎の女性、
脈絡のなさそうなエピソードや人間たちが交差し、
オフビートな笑いを生み出す。

この映画、たしか高校生ぐらいのときに、一度テレビで観た。
しかし、あんまり覚えていなかった。
ピンとこなかったんだろう。何がツボかも。

見ている人がストーリーを追おうとすると、あえてそれを中断させたり、
出てくる人たちは、みなどこかピントがずれていて、
共感できる人はいなかったりと、これはハッキリと「風刺劇」なんですよと、
この映画は最初から打ち出している。
そしてなるべく映画のお約束から離れようとしているが、
こうした試みは、当時は映画やテレビではよく行われていた。
「ナンセンス」という言葉をいま、思い出した。

映画では腕利きの刑事がサンフランシスコから呼ばれ、
ブルースターに目をつける。
これ、『ダーティーハリー』のパロディかと思ったら、
『ダーティーハリー』のほうがあとだった。
当時は、刑事のイメージってあんな感じだったんだなあ。

で、ラスト、警官隊に追われたブルースターは、
アストロドームに飛翔する。
やった!と思うのもつかの間、そこは大な鳥かごで、
外に向かって飛び立つことはできない。

「鳥かご」の中を飛んでいるうちに、ブルースターは力尽き、
落下してしまう。
うなったね。映画史上の名シーンだと思う。

そして、おかしくも悲しいエンディング。
楽隊とサーカスが落下したブルースターのところへ出てきて、
仮装した出演者全員が紹介される。

フェリーニの『8 1/2』のように。

あの時代の空気をパッケージしたような映画。
観ていない人は、観たほうがいいよ。
おかしくも悲しい映画。

★★★★☆
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by mahaera | 2010-07-07 16:52 | 映画のはなし | Comments(0)
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