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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画評 「TSUNAMIツナミ」 大味なパニック映画

TSUNAMIツナミ 2009年/韓国
公開:9月25日より新宿バルト9にて

公式HP:www.mega-tsunami.jp

遠洋漁船に乗っていたマンシクは、事故とスマトラ沖で起きた津波により、
幼なじみのヨニの父を死なせてしまう。
故郷へ戻ったマンシクだが、そのことからヨニへの想いを
なかなか打ち明けられずにいた。
一方、マンシクの弟で海洋救助隊員のヒョンシクは、
海で溺れていた都会からやってきた若い女性ヒミを助ける。
女性に対して気の弱いヒョンシクだが、
気の強いヒミに一方的に惚れられてしまう。
そのころ地質学者のキムは、日本海で連続して発生する地震から、
やがて巨大な津波が韓国の沿岸を襲うことを予告していた。
しかし偶然にも、別れた妻が娘を連れて、
この海辺にやってきていた。そして、とうとう“その日”がやってきた。

本作はまぎれもなく、1970年代に流行した「パニック映画」を踏襲した、
正統派のディザスター・ムービーだ。
あのころは『ポセイドン・アドベンチャー』のような一級品から、
『大地震』『エアポート’75』のようなB級品にいたるまで、
多くの映画が作られた。特徴としては、数組に及ぶ登場人物たちが、
大災害を前に群像ドラマを織り成していく。
ひとりひとりの出番は少なくなるので、
スター(それも往年の)を集めて、華やかにしたものだが、
この韓国映画もその定型に乗っ取って作られている。

愛する人に思いを打ち明けられない主人公、
大津波の襲来を警告する科学者、
それに耳を貸さない行政の怠慢。
災害で離れ離れなった登場人物たちは、相手を助けに行く。
お約束の設定かもしれないが、津波が来るまでの前半のドラマ部分が、
ドロドロと人間臭いのは韓国映画ならでは。
観客が飽きないように、科学者が一定の間隔で登場し、
「津波の脅威」をうながす。
しかし意外に、この部分はわりと丁寧に作られている。

スマトラ沖大地震による津波は平均の高さが10mほどだったが、
20万人を超える人々の命を奪った。
ところが、この映画の津波は高さ100m! 
あまり現実的ではないが、高層ビルが建つ現在では、
ビジュアル的にビルを飲み込むほどの
『デイ・アフター・トゥモロー』級の大きさが必要なのだろう。
日本のゴジラだって、登場したときはビルの高さに合わせて
50mほどという設定だったが、ビジュアル的な都合で最後には
100mと倍の大きさになってしまった。
そんなわけで、津波が押し寄せてからの後半は、
リアリティがどんどんなくなっていったのが残念。
そんなところまで「パニック映画」を踏襲しなくともよかったのだが。
(★★☆)

旅行人「旅シネ」に掲載したものです。
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by mahaera | 2010-09-07 21:12 | 映画のはなし | Comments(0)
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