人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

新作映画評『黒く濁る村』 『シルミド/SILMIDO』の監督が送るミステリー だが。。。

黒く濁る村
Moss
2010年/韓国

父の訃報を聞き、山奥の村へやってきた青年に立ちはだかる謎
『シルミド/SILMIDO』の監督が送るミステリー

監督:カン・ウソク(『シルミド/SILMIDO』『公共の敵』)
出演:パク・ヘイル(『殺人の追憶』『グエムル 漢江の怪物』)
チョン・ジェヨン(『小さな恋のステップ』『トンマッコルへようこそ』)
配給:CJ Entertainment
公開:11月20日より丸の内TOEI、シネマスクエアとうきゅうにて
上映時間:110分

1978年、山間の村にあるサムドク祈祷院にやってきた
ユ・モッキョンは、信者たちの心をたちまちつかむ。
汚職刑事のチョン刑事は嫉妬した院長に頼まれ、
ユ氏を逮捕して痛めつけるが、
やがてチョン刑事もユ氏に惹かれていく。
そして、チョン刑事はユ氏に、
「やり直したい人たちを救済する場所を作ろう」ともちかける。
30年後、音信不通だった父のユ氏の死の知らせを受け、
息子のヘグクが村へとやって来た。突然のヘグクの登場に、
今では村長になったチョン刑事や、村人たちは困惑を隠さない。
死因に納得できないヘグクは村に留まることに。
やがてヘグクは土地の名義が書き換えられ、
財産も引き出されていることを知る。
そして30年前に起きた事件に、
父と村長が深く関わっていたことを知る。


原作は2007年にウエブ連載されたマンガで、
韓国で大ヒット。それを映画化したのは
『シルミド/SILMIDO』で知られるカン・ウソク監督だ。

都会に住む青年が、父の死をきっかけに山奥の村を訪れ、
数十年前にさかのぼる事件の謎を探る。
秘密を持つ村人たち、謎の地下トンネルなど、
どこかで見たことがある、と思ったら、
日本の横溝正史作品『八つ墓村』だ。
ただし主人公を取り巻く構造は似ているが、
ストーリーは大きく違う。2時間41分という長尺ながら、
まだ省略したバックグランド・ストーリーがあるように
感じるのは、伏線張って回収しないマンガが原作だからか
(次回まで引っ張らなくてはならないんで)。
ダレることはないが、物足りない部分も。
もっとドロドロした世界を見たかった。

『殺人の追憶』の容疑者役で注目を浴びた
パク・ヘイルが主人公の青年を好演しているが、
本作でもっともインパクトがあるのは、
村長(チョン刑事)役のチョン・ジェヨン。
老けメイクは、ちょっと無理があったが(笑)。
(★★★)

(旅行人HP「旅シネ」に寄稿したものと同じです)
by mahaera | 2010-11-11 10:53 | 映画のはなし | Comments(0)
<< 13日大和市桜ヶ丘のブルースバ... 新作映画評『極悪レミー』 “モ... >>