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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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いまさらだが映画『BECK』はひどかった

先週、これから公開される日本映画の大作の試写会に行く。
映画は予想通り、酷いものだったけど、
それでも作り手の多くはがんばって作ったわけで、
結果が伴わなかっただけかもしれない。
しかし非難するのはホメるより簡単で、
期待している人もいるだろうから、
公開前にはケナさないようにします。

さて、今年見た映画で同じくらい(いやもっとか)
ヒドい映画に『BECK』がある。
こちらはもう公開終了しているので、いくらでもけなせる。
だいたいロックを描いた日本映画にマシなのはほとんどなく、
何度もがっかりさせられているが、
その状況はいまだ変わらないことを再認識。
原作が漫画で、監督が『20世紀少年』の人といえば予想はつくでしょう。
漫画では感動させられる表現でも、
それをそのまま映画で通るほど甘くはない。
漫画は読む人のスピードで進むし、動かない分、声がない分、
読み手のイメージを喚起させないと進まない。
一方映画は、観客に等しく同じ時間を与える。
塀の上からジャンプして着地するまでの時間を
5秒と決めてしまえば、5秒だ。
たとえば、マンガで、読者を感動させる
一ページ大のコマがあったとする。
そこで僕らはそのコマを眺め、じっと余韻に浸るわけだが、
映画ではそのシーンを長く取るか、あるいは次のシーンに移る。
組み立て方が違うのだ。
連載マンガの場合、一回ごとラストに次の号を期待させる
コマが来るが、連載数十回分をまとめた映画で
それを忠実にやっていたら、全体のテンポが狂い
どこを見せたいかがぼやけてくる。

マンガ自体も混乱して終わってしまった『20世紀少年』とは異なり、
映画『BECK』は大型フェス出演がハイライトで、
そこにうまくもっていこうとかなり絞っているが、
マンガのエピソードを多く拾おうと散漫になっている部分がある。
それでも脚本家はかなり健闘しているのかもしれない。
問題はリアリティのなさで、
「そんなわけないだろー」という突っ込みどころ満載。
たとえば、主人公が短期間で急速にギターがうまくなるところ。
鼻歌で人を感動させるくらいの能力を持っていること。
これって、ハリー・ポッターと同じで
「生まれつき能力があった」ってことで、
物語として、説得力がない。
または主人公がそんなに努力して練習しているように見えない。
映画では描写はあるものの標準的な練習)
役者のせい? いや、ウソを信じ込ませるのが演出なのだと思う。
『BECK』ではバンドが着実に動員を増やしていくところに、
何の理由もない。ファンが学校の友だちぐらいしか登場しない。
ファン不在というか、ウソを承知でなんでこのバンドが
いいかをファン目線で語らせるシーンが必要だった。
たとえば、ベタだけど「いじめにあったり、
自殺を考えていた少年が、BECKを聞き出して変わっていく」とか。
映画はヒドかったがマンガの「デトロイト・メタルシティ」は、
ちゃんとインディーズバンドとそのファン心理とか
(ギャグだけど)描いていて、ファン目線あるしね。
音楽のネタも「レッチリとオアシスのいいとこ盗りです」
とハッキリ言っているようなものだし。
で、最後は、やっぱり「サギだなあ~」。
あの演出は。
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by mahaera | 2010-11-23 10:49 | 映画のはなし | Comments(0)
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