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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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ご贔屓ケン・ローチ監督の新作はコメディ 『エリックを探して』

エリックを探して
Looking for Eric
2009年/イギリス、フランス、イタリア、ベルギー、スペイン

監督:ケン・ローチ(『麦の穂を揺らす風』『この自由な世界で』)
出演:スティーヴ・エヴェッツ、エリック・カントナ
公開:公開中。Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町にて
公式HP:www.kingeric.jp

ここのところ年一作ペースで、良質の作品を届けてくれている
イギリスの名匠ケン・ローチ監督
とにかくどの作品にもハズレがなく、観てソンはないと断言できる
常に社会問題に取り組み、弱者の目線で映画を撮り続けている、
バリバリの反体制派だが、そんな彼らしく、
本作が初のハッピーエンド作品となるという(笑)

東京では公開が始まってしまったが、
おすすめできる作品だ。

マンチェスターの郵便局員のエリックは、
ある日パニック障害の発作を起こし、交通事故を起こす。
別れた最初の妻に、どうしても声をかけられなかったのだ。
出て行った2度目の妻の連れ子の2人と
3人で暮らしているエリックだが、
息子たちの前でも彼は威厳を示せない。
元気の無いエリックを仲間たちがはげますが気分は晴れない。
その夜、エリックが部屋に貼られたサッカーの名選手
エリック・カントナのポスターに愚痴をこぼしていると、
突然、部屋にカントナが現れた! 
これは夢? カントナはエリックを勇気づけ、
前向きに生きていくように諭していく。

 主人公エリックは、30年前に別れた妻リリーが相変わらず美しく
溌剌としている姿を見て、自分がダメ人間かを自覚して落ち込む。
そんな彼の前にかつて応援していたサッカー界の
スーパースターが現れ、人生のアドバイスをする。
エリック・カントナは90年代にマンチェスター・ユナイテッドで
活躍していた名選手で、演じるのはエリック・カントナ本人
(カントナは本作の製作総指揮も勤めている)。
エリック・カントナが見えるのはエリックだけで、
アドバイスをするというのは、往年のウディ・アレン主演作
『ボギー!俺も男だ』を連想するが、
そこまでコメディコメディもしていない。
主人公エリックが抱える問題は、他のローチ作品同様、
ずっとリアリティがあるからだ。

エリックの義理の息子たちは、一歩間違えればローチの
『SWEET SIXTEEN』の少年のようになる可能性もあるが、
ここではエリックに励まされたエリックにより
トラブルを乗り越え、家族の絆を深めていく。
そしてボンクラだと思っていた仲間たちの助けによる
すてきなハッピーエンドにより、
気持ちよく映画館を後にできるだろう。

最後に、ロックの名曲“ブルー・スウェード・シューズ”
どんなものか、本作で初めて実物を見た。
(★★★☆)

(旅行人「旅シネ」に寄稿したものをややリライト)
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by mahaera | 2011-01-18 11:14 | 映画のはなし | Comments(0)
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