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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『男たちの挽歌』 ジョン・ウーの傑作アクションを韓国でリメイク

男たちの挽歌
A Better Tomorrow
2010年/韓国


製作総指揮:ジョン・ウー(『男たちの挽歌』『フェイス/オフ』『レッド・クリフ』)
監督:ソン・ヘソン(『パイラン』『力道山』』)
出演:チュ・ジンモ(『カンナさん大成功です!』)、
ソン・スンホン(『ゴースト もういちど抱きしめたい』)、
キム・ガンウ(『食客』)、チョ・ハンソン(『連理の技』)
公開:2月19日より全国東映系
公式HP:www.banka2011.com

香港映画史上最大の傑作『男たちの挽歌』。
そのリメイクがなぜか韓国でされると知り、正直驚いた。
「なんで香港ではなく、韓国で?」。
しかもジョン・ウー自ら製作総指揮をとるというのだ。

脱北の際、生き別れになった兄弟がいた。
数年後、兄のヒョクは釜山を拠点とする武器密輸組織の幹部に。
弟分は、同じ北朝鮮出身のヨンチュンだ。
やがてヒョクは弟・チョルと再会を果たすが、
チョルは自分を見捨てて逃げた兄を許さなかった。
ヒョクは最後の仕事で渡ったタイで、仲間のテミンの裏切りで、
逃走中に逮捕されてしまう。
時がたち、出所したヒョクだが、すでに組織はテミンが牛耳り、
ヨンチュンは組織の駐車係に落ちぶれていた。
そして弟チョルは警察官となり、組織の摘発に乗り出していた。
真面目に生きようとするヒョクだが、組織はそれを許さなかった。

「どうせダメだろう」と、今回のリメイク版は期待していなかった。
ところが、意外に悪くない。
もちろん大傑作のオリジナル版に比べれば、“佳作”レベルだが、
アクションよりドラマ重視の造りに、かなりの丁寧さを感じる。
プレスでは「その後、いろいろリメイクの話が来たが、
みなアクション映画だった」とウーが語っているので、
ウーとしては主人公たちが脱北者で、オリジナル版よりも
「兄弟愛」を強く押し出している点が気に入ったのだろう。
ウーも「オリジナル版では、兄弟愛がうまく描けなかった」と言う。
それもまあチョウ・ユンファがカッコ良すぎたからで仕方がない。
当時、ユンファはブレイク直前。ウーにとっては誤算だったが、
みなこの映画のユンファにしびれ、続編が2作も作られたほど。

さて、このリメイク版。
邦題の“男たちの”に嘘偽りなく、
女性は食堂のおばちゃんぐらいしか登場しない男臭さ100%。
「イケメンなのに、誰も恋人いないのかよ」とツッコミたくなるが、
これは男同士の報われない愛(ゲイじゃないよ)の映画なのだ。
兄は弟に許してもらいたい、愛してもらいたいし、
弟は兄を憎んでいるが、それは愛していたからこそ裏切られた思いが強い。
そして天涯孤独の弟分は、兄貴を本当の兄貴のように慕っており、
実の弟が兄を侮辱するのにカツを入れる。悪役の裏切り者も、
ちやほやされている兄貴分たちに嫉妬しているから裏切り、
彼らを殺さないのも、見返してやりたいからなのだ。

本作への不満は、主人公達がみな若いイケメンだということ。
兄貴分は、もっとオッサン臭いほうがいい。
見た目弟分と歳がそう変わらないので、
舎弟関係にあるってわからなかったよ。すぐには。
彼は実の弟と、心の弟ふたりの兄貴分なんだから、
見た目が友だちぐらいなのはちょっと。
そして、オリジナル版もかなりの“男泣き”映画だったが、
本作は泣きのシーンがちょっとくどい。映画を見ている限り、
韓国人は男もよく泣く。ちょっとベタかと。
そんな不満もあるけど、ラストの埠頭での対決は、
オリジナルファンも満足なはず。でも続編は作らないんだろうなあ。

(★★★☆)
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by mahaera | 2011-02-09 18:18 | 映画のはなし | Comments(0)
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