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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『アジャストメント』 ディック原作をマット・デイモン主演で映画化

アジャストメント

2010年/アメリカ

監督:ジョージ・ノルフィ
出演:マット・デイモン、エミリー・ブラント、テレンス・スタンプ、アンソニー・マッキー
配給:東宝東和
公開:5月27日より全国東宝系にて


上院議員候補として選挙戦をリードするスラム出身のデヴィッド。
しかし、過去のスキャンダルにより彼は落選してしまう。
敗北宣言を控えたデヴィッドだが、男性用トイレでエリースという女性と出会ったことから、予定とは違うスピーチを。
それが結果的に功を奏し、復帰のチャンスが。
そんなデヴィッドの動向を、謎の男たちがチェックしていた。
“アジャストメント・ビューロー(調整局)”のエージェントたちだ。
2年後、デヴッドはエリースに再会する。
しかし、デヴィッドは二度とエリースに会わないように
エージェントたちから警告される。
世の中の運命を管理しているという彼らは、いったい何者なのか?

作品が次々に映画化されているSF作家フィリップ・K・ディック
生前の評価は低かったという彼だが、
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の映画化『ブレードランナー』のカルト化により、世界的な人気を得る。
もっとも、ディックは完成した『ブレードランナー』を観て満足したものの、公開前にこの世を去ってしまい、自分の成功を知ることはなかった。

彼の作品でもっとも有名なのは「高い城の男」だろうか。
第二次世界大戦で、ドイツや日本が勝利した後の世界を描いたパラレルワールドもので、僕も中学生ぐらいの時に読んだ。
一般的には、映画化された作品のほうが知られているだろう。
「追憶売ります」の映画化『トータル・リコール』のほか、『マイノリティ・リポート』『クローン』『ペイ・チェック消された記憶』『スクリーマーズ』『スキャナー・ダークリー』…。
それらの作品に共通するのは、自分の存在への“疑いの心”だ。
自分は本当の自分ではないのではないか。
自分の意思で決めて生きているのは見せかけではないか。
自分の記憶は植えつけられたものではないか。
本作では世の中の筋書きはあらかじめ決められており、
そこから外れそうになると“調整局”の役人たちが現れ、
微調整していく。しかし本作の主人公デヴィッドは、
決められた運命にさからい、愛を貫いていく。

他のディック映画と異なり、派手なアクションはないが、
そのほうがディックらしい。
まあ、「愛の勝利」的な解決は大甘だが、見ている間はけっこう楽しめた。
「どこでもドア」が視覚的に楽しめる。
(★★★)公開中
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by mahaera | 2011-05-27 19:33 | 映画のはなし | Comments(0)
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