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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

新作映画レビュー『アリス・クリードの失踪』 これからが期待できる監督のデビュー作

アリス・クリードの失踪
The Disappearance of Alice Creed
2009年/イギリス

監督:J・ブレイクソン
出演:ジェマ・アータートン(『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』)、マーティン・コムストン(『明日へのチケット』)、エディ・マーサン
配給:ロングライド
公開:6月11日よりヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷にて
公式HP:www.alice-sissou.jp

開映時間ぎりぎりに試写室に行ったら、込んでいて入れなかった。
監督は新人。有名俳優も出ていない。前宣伝もあまりない。
それなのにマスコミ試写室がいっぱい。
これは映画ライターどうしの口コミでにぎわっている証拠。
つまり、映画のプロが見て、面白い作品ということだ。

ワゴン車を盗み、ホームセンターでベッドや防音材、
そしてドアに取り付ける鍵を買い込み、
部屋を密室に変える作業をする2人の男。
セリフを排し、2人の男が黙々と作業する冒頭が緊張感に溢れ、
とてもスリリングだ。

彼らは女性を白昼堂々と誘拐し、
アパートの一室に用意したベッドに縛りつける。
さらわれたのは富豪の娘アリス。
身代金要求をてきぱきと進める男たち。
誘拐したのは刑務所で知り合ったヴィックとダニー。
しかしやがて2人が一枚岩ではないこと、
またさらわれた女性アリスも意外にタフなことがわかってくる。
身代金目当ての誘拐計画は順調かに見えた。
しかし、ダニーは秘密を抱えていた。
アリスにも、ヴィックにも。

これが長編デビュー作となるJ・ブレイクソン監督は脚本も兼ね、
常に観客の先手を打ち、私たちに息つく間も与えない展開は見事
3人の登場人物のキャラクター説明も小出しにしている分、
よりいっそう興味が湧いてくる。
誰が誰と通じて、誰を裏切るのか。
予想不可能な展開は必見だ。

公開されるや否や、その緻密な作品世界に、
ダニー・ボイルの『シャロウ・グレイヴ』
クリストファー・ノーランの『π』
ウォシャウスキー兄弟の『バウンド』などの
優れたデビュー作に匹敵すると英米の批評家が絶賛した本作。
登場人物は3人、場所もほとんどが2つの部屋で進行するなど、
低予算を逆手に取り、キャラクターを掘り下げてサスペンスを生む。
その手腕は、随所に才気が感じられる。
僕は予備知識なく、偶然名画座で観た『バウンド』を
見たときのような満足感を得た。
なかなかの拾い物の映画。サスペンス映画好きにはたまらない。
(★★★☆)

msn映画レビューにも僕の書いたものが紹介されています。
http://movies.jp.msn.com/movies/movie.aspx?movieId=39447
よかったらご覧下さい。
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by mahaera | 2011-06-10 00:44 | 映画のはなし | Comments(0)
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