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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『テンペスト』 シェイクスピア最後の傑作を、鬼才ジュリー・テイモアが映画化

テンペスト
Tenpest


2010年/アメリカ

シェイクスピア最後の傑作を、鬼才ジュリー・テイモアが
主人公を女性に変更し、豪華キャストで映画化

監督:ジュリー・テイモア(『フリーダ』『アクロス・ザ・ユニバース』)
出演:へレン・ミレン(『クイーン』『RED』)、クリス・クーパー(『アダプテーション』『アメリカン・ビューティー 』)、アラン・カミング(『Xメン2』)、ジャイモン・フンスー(『アミスタッド』『アイランド』)、アルフレッド・モリナ(『フリーダ』『スパイダーマン2』)、ベン・ウイショー(『アイム・ノット・ゼア』)
配給:東北新社
公開新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほかにて公開中


ミュージカル「ライオンキング」で斬新な演出を施し、
世界に一躍名をとどろかしたジュリー・テイモア
まもなく映画界にも進出した彼女は、シェイクスピア原作の
『タイタス』で先進的な映像スタイルを見せる。
僕はこの『タイタス』で初めて、テイモア作品を見たが、
奇抜なコスチュームと斬新な演出に驚いた。
続く『フリーダ』、『アクロス・ザ・ユニバース』
随所に才気をほとばしらせ、映像美に堪能したので
この新作にも多いに期待した。

さて、シェイクスピア最後の傑作と言われる
晩年の作品の映画化がこの『テンペスト』だ。

ナポリ公アロンゾーとその一行の乗った船は、
突然の嵐(テンペスト)に襲われ、アロンゾーと王弟、老顧問官、
そしてミラノ大公の4人は孤島に漂着する。
しかしそこにアロンゾーの息子ファーディナンドの姿はなかった。
この嵐は、島に住むプロスペラが魔術で起こしたものだった。
かつてミラノ大公妃だったプロスペラだったが、
夫の死後、弟に大公の座を奪われて国を負われ、
娘のミランダとここで暮らしていたのだ。
自分を裏切った者たちへの絶好の復讐の機会を、
プロスペラは見逃さなかった。

テイモアは原作のシェイクスピア作品では男性だった
主人公プロスペローを『クイーン』でアカデミー主演女優賞を得た
ヘレン・ミレンを起用し、女性のプロスペラに変更。
アカデミー賞衣装デザイン賞にもノミネートされた見事な衣装
実力派の俳優たちが織り成す演技のアンサンブルと、
見どころには欠かない出来上がりになった。
ただ、展開がところどころかったるくなる
(とくに道化のあたり)のは、原作を変えられない
(戯曲どおりでセリフはママ)なので、
仕方がないのだろう。舞台では息抜きに必要な、道化のパートも
映画では物語の進行を停滞させるだけで、いらなく感じるのだ。
あとは、今までのテイモア作品に比べて、
ひとつ突き抜け感に欠ける感じがした。
ヘレン・ミレンの芝居や衣装がすばらしいだけに、
そのあたりが残念。これは原作本来の弱点なのだろうか。
それとも演出なのだろうか。
(★★★)
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by mahaera | 2011-06-18 12:38 | 映画のはなし | Comments(0)
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