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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『グッド・ハーブ』 認知症が進む母親との日々を描くメキシコ映画

グッド・ハーブ
Las Buenas Hierbas
2010年/メキシコ

監督・脚本・製作:マリア・ノバロ
出演:ウルスラ・プルネダ、オフェリア・メディーナ

配給:Action Inc.
公開:7月23日よりシネマート新宿ほかにて公開
上映時間:120分
公式HP:www.action-inc.co.jp/hierbas
 

 
シングルマザーで、コミュニティラジオのパーソナリティを
しているダリア。
幼い息子の父親とは、別々に暮らしているが週末には
子どもを預かってもらい、自分の生活を楽しむ余裕もある。
母親のララはメキシコでも有数のアステカ時代のハーブ研究家
古書をもとに、今では失われてしまった薬草の知識を
探る研究をしていた。しかし、ララが“アルツハイマー認知症”に
かかっていることがわかる。
ダリアの介護もむなしく、ララの病状は進行していく。
 
メキシコというと、どうも過酷な現実を描いたシリアスな作品の
イメージがあるが、本作は世界中どこにでも起きそうな、
母娘の絆を描いた“女性映画”だ。
主人公はシングルマザーだが、貧乏でもなければ金持ちでもない。
別れたパートナーには快く
週末に息子を預かってもらえる関係にある。
「メキシコ=貧困」といったティピカルなイメージの使用を
ここでは避けている。
それはこの物語の主軸は母と娘の関係にあり、
「父親もいない中、母がボケてしまったら」という物語をつむぐのが目的だからだ。

母親が「メキシコでも有数のアステカ時代のハーブ研究家」という
設定が、どう生かされるのかが気になるところだが、
残念ながらそれはあくまで背景に過ぎず、物語を発展させない。
むしろ主人公の知り合いの初老の女性が話す
死んだ娘の話のほうが、
ボディブローのようにあとから効いてくる。娘を亡くした女性と、
これから母を亡くそうとしている女性。
知り合いの女性の娘は死んでしまったが、
主人公の目には時おり幻影のような姿で見える。
そして主人公の母親は生きながら、
「物事を少しずつ忘れる」ということによって死んでいく。

悪い映画ではないが、どうも話が流れていくだけで、
僕にはあまり訴えるものがなかった。
少し残念

(★★☆)

※旅行人のWEB「旅シネ」に寄稿したものを転載しました。
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by mahaera | 2011-07-22 00:35 | 映画のはなし | Comments(0)
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