ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

リバイバル映画レビュー『ナッシュビル』 ロバート・アルトマンの70年代の幻の名作

ナッシュビル
Nashville
1975年/アメリカ

監督:ロバート・アルトマン
出演:カレン・ブラック、ロニー・ブレイクリー、キース・キャラダイン、ジュラルディン・チャップリン、シェリー・デュバル、スコット・グレン
配給:日本スカイウェイ、アダンソニア
公開:8月6日~26日新宿武蔵野館にて


気を許していると、試写で観た映画がどんどん公開時期に。
本作はリバイバル上映だが、現在公開中なので、
観た事がない人は、ぜひ観に行って欲しい名作だ。

カントリー&ウエスタンの聖地であるテネシー州のナッシュビル。
大統領選挙戦が近づく中、スタジオでは地元の大スター、
ヘブンのレコーディングが行われ、
BBCの女性記者オパールは興奮気味だ。
空港ではフェスティバル参加のために帰ってきた、
地元出身の女性歌手バーバラ迎えるセレモニーが行われていた。
彼女に選挙キャンペーンに協力してもらおうと画策する
トリプレットと弁護士デルもやってくる。
一方、町にはスターを夢見るシンガーたちもいた。
さまざまな人々とそのドラマが、終盤の野外コンサートへ向かっていく。

90年代に入り『ザ・プレイヤー』を発表するまで、
アルトマンは“忘れられた”監督だったが、
『M★A★S★H』に始まる70年代はまさに最初の絶頂期
映画を見始めたばかりの中学生の僕にとって、
なんでそんなアルトマンがキネ旬などで大きく取り上げられるか、
さっぱりわからなかった。
実際、中学生にわかるような単純な映画じゃなかった

そんな中に公開されたこの『ナッシュビル』は代表作のひとつ。
しかし日本ではなじみの薄いカントリー音楽が題材であることや、
出演が渋い中堅スターばかりということ、
2時間40分という長編ということもありほとんどヒットしなかった。
その上、日本では未DVD化で、
名画でありながらも観た人が少ないという“幻の作品”となった。

だから今回のリバイバル上映は、映画ファンにとってはうれしいニュース。
僕は今回初見だが、24人の登場人物の人間模様
ほぼ均等に描き、さばいていく手腕はみごとだと思う。
長尺ながらダレることなく、
群像ドラマがラストのコンサートシーンに集約されていく。
努力が水の泡に帰る人も入れば、スターになる人もいる。
そして、「暗殺」というのが、アメリカの伝統であることも、
大いなる皮肉となってかえってくる。
一度観るだけでは細かいところに気づかないかもしれない。
もう一度見直したくなる作品だ。

あと、驚いたのが、劇中歌われるカントリソーングの多くが、
演じている俳優の自作自演
であること。
カレン・ブラックの堂々ぶり、
アカデミー主題歌賞をとったキース・キャラダインの曲、
てっきり職業作曲のものかと思っていた。
日本じゃあり得ないでしょ。
出演俳優が作った曲をそのまま使って歌わせるなんて。

(★★★★)

ぜったいスクリーンで観て下さい。
[PR]
by mahaera | 2011-08-15 10:31 | 映画のはなし | Comments(0)
<< 川崎市民ミュージアム「実相寺昭... 最近はこんな感じ >>