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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『あしたのパスタはアルデンテ』 パスタ会社を引き継ぐことになった次男には秘密が…

あしたのパスタはアルデンテ

2010年/イタリア

監督:フェルザン・オズペテク
出演:リッカルド・スカマルチョ、ニコール・グリマウド、アレッサンドロ・プレツィオージ
配給:セテラ・インターナショナル
公開:シネスイッチ銀座にて公開中


南イタリアでパスタ会社を経営する名門一家で、
重要な晩餐会が開かれることになった。
久々に故郷に帰ってきた一家の次男のトンマーゾは
その席で、自分は作家になりたいこと、
そして自分がゲイであることを告白する気でいた。
しかしその寸前に、兄のアントニオが先に
自分がゲイであることを発表してしまう。
怒る父親はアントニオを勘当。
トンマーゾは自分の告白の機会を失ったばかりではなく、
パスタ会社の経営も任されてしまうことになる

簡単に言ってしまえばゲイネタのコメディだが、
そこはイタリアンコメディ。家族がそれに大きく関わっていく。

しかし最新のトレンドや世相に流されることないイタリアのコメディは、
時として「これはいったいいつの映画?」と感じなくもない。
たぶんイタリア人にとって“目新しさ”
さほど重要ではないのだろう。本作も舞台が田舎町で、
テーマも「家族愛」「自立」と普遍的なこともあり、
20年前の映画といっても、携帯の大きさ以外は通りそうだ。

しかしそれがマイナスかというと、そうでもない。
描きたいのは自立する若者と家族の関係。
笑って、最後は家族の絆を感じさせる語り口は、
マイルドながらも安心して注文できる定食屋の料理のよう。
大事なのはその“さじ加減”なのだ。

しかし、ゲイだとバレないように苦労するシーンは、
これまたオーソドックスだが、けっこう笑えた。

個人的には、もっとピリリとした映画が好きなので

(★★☆)
by mahaera | 2011-09-09 01:17 | 映画のはなし | Comments(0)
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