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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『ゴーストライター』 ベルリン国際映画祭最優秀監督賞受賞作

ゴーストライター

2010年/フランス、ドイツ、イギリス

監督:ロマン・ポランスキー
出演:ユアン・マクレガー、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル
配給:日活
公開:ヒューマントラストシネマ有楽町&渋谷にて公開中


現在ヨーロッパを中心にして活動して英語映画を撮っている、
『チャイナタウン』『戦場のピアニスト』のロマン・ポランスキー監督
『戦場のピアニスト』以降、重苦しい作風が続いていたが、
今回はミステリーとはいえ、軽快で皮肉の利いた作品だ。

元英国首相ラングの自伝執筆のために
出版社より選ばれたゴーストライターの“僕”。
冬の最中、僕はラングが滞在する、アメリカ東海岸の孤島に向かう。
前任のゴーストライターは、なぜか溺死したという。

ラングが滞在している邸宅に着いた途端、
ラングがイスラム過激派の逮捕や拷問に加担した疑いがある
というニュースが流れる。
このスキャンダルは国際刑事裁判という大騒動になっていき、
一向にインタビューははかどらない。
一方、“僕”は前任者のライターの部屋から、ある資料を見つける。
それはインタビューで聞いたラングの経歴を覆すものだった…。

ユアン・マクレガー扮するゴーストライターに役名はない
ラングに名前を聞かれたときも
「僕はあなたのゴーストです」と答える。
このゴーストは、ラングの代わりに自伝を執筆する
ゴーストライターという意味だと思ってわれわれ観客を見ているが、
実は、この“僕”は死んだ前任者がつかんだ証拠を追ううちに、
その前任者がたどった運命と、同じような運命を負っていく。
つまり、彼は死んだ前任者のゴーストでもあるのだ。

本作を観ていて、僕が連想したのは英国出身のヒッチコック作品
“サスペンス”というジャンル映画を撮り続けたヒッチコックだが、
その全盛期の作品はシリアスな話でも、
洒落た会話が生きており、軽妙なタッチ。
ゴーストライターと周囲の人々のやりとりが、
英国人らしいウィットに富んだセリフで、
重くなりがちな物語にユーモラスな雰囲気を漂わせている。と
はいえ最後に明かされる真実は、イギリス人にとってはキツい皮肉だ。
ボンド役で人気を得たピアース・ブロスナン
この役をやらせたのも、二重の皮肉かもしれない。
小品だが、僕はけっこう楽しめた。
巨匠が肩の力を抜いているが、手は抜いていない、そんな作品だ。

『グリーンランタン』や『トランスフォーマー』観るんだったら、
絶対こちらを見たほうがいい。比べ物にならないか。。。

(★★★☆)
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by mahaera | 2011-09-11 23:53 | 映画のはなし | Comments(0)
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