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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『さすらいの女神たち』 “ニュー・バーレスク”ダンサーたちとそれを率いる男

さすらいの女神たち

2010年/フランス

監督:マチュー・アマルリック
出演:マチュー・アマルリック、ミランダ・コルクラシュア、スザンヌ・ラムジー
配給:マジックアワー、IMJエンタテインメント
公開:シネスイッチ銀座にて上映中

マチュー・アマルリックって知ってる?
たぶん、映画ファンなら、名前は知らなくても彼の顔は知っている。
僕は最初に彼を知ったのが、スピルバーグの『ミュンヘン』で、
若いころのロマン・ポランスキーにそつくりなので驚いた。
次は、『007慰めの報酬』の悪役。
そして僕の好きな映画『潜水服は蝶の夢を見る』の、体が麻痺した主人公だ。
その彼が、実は監督もしていることは知らなかった。
本作は長編としては4作目。
本作でカンヌ国際映画祭の最優秀監督賞を受賞するなど
高い評価を得ている。

女性5人と男性1人の6人組の一座
「キャバレー・ニュー・バーレスク」がフランスの地方をツアーで回っていた。
“ニュー・バ-レスク”とは、単なるストリップとは異なり、
メッセージ性も盛り込んだエンタテインメントあふれるダンスショーだ。
そのアメリカで活動しているメンバーをフランスに連れてきたのは、
フランス人の元TVプロデューサーのジョアキム。
地方での公演は成功するが、ジョアキム念願のパリ公演はキャンセルに。
古い仲間や知り合いに出演を懇願するジョアキムだが、
ジョアキムのかつてのひどい仕打ちに、誰も助けてはくれない。

「ダンスは若くてスタイルがいい女性が踊るもの」という、
イメージとは異なり、
熟年でスタイルも“豊満”といっていい女性たちが
自らの肉体を作って堂々と表現し、
驚くのはそれが人気を得ているということ。
デブなおばちゃんたちの、ストリップをお金を払って見に行く
ちゃんと“大人の女性”の魅力を、理解できるお国柄にまず驚いた。
ショーの内容を考えて、作品にする。
もちろん裸にはなるが、単なるストリップではなく、
エンタテインメントとして、作ろうとしているのだ。

本作は基本的にはそうした一座の女性たちと、アルマリック演じる座長の
悲喜こもごもなのだが、話に結末がない
パリにたどり着いて成功するわけでもなく、
ほかに報われることがあるわけでもなく、
たどり着かないまま、途中の時間が止まったような田舎で、
あっさりと終わってしまう。
見ている僕としては、なんか目的地へ向かっているバスで、
途中で降ろされて「ここで終点」といわれてしまっているようで、
ゼメキスの『キャスト・アウェイ』のエンディングのように途方にくれてしまった。

(★★)
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by mahaera | 2011-09-29 00:23 | 映画のはなし | Comments(0)
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