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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『フェア・ゲーム』 僕もなんとなく覚えている実話

フェア・ゲーム

2010年/アメリカ

監督:ダグ・リーマン
出演:ナオミ・ワッツ、ショーン・ペン、サム・シェパード
配給:ファントム・フィルム
上映中


CIAの女性諜報員がその素性を政府に暴露された
「ブレイム事件」は、なんとなく僕も新聞か
テレビのニュースで覚えている。
本作は『ボーン・アイデンティティー』の監督ダグ・リーマン
による映画化だが、CIAつながりでスパイだからかと思ったが、
こちらは“ボーン”と違い派手なアクションはなし。

CIAの秘密諜報員ヴァレリー・フレイムは、
イラク政府による核兵器開発の調査をしていたが、
イラクにはすでにその能力がないことを突き止める。
一方、ヴァレリーの夫で元ニジェール大使のジョー・ウィルソンも、
国務省の依頼でイラクが濃縮ウランを密かに買い付けているかどうかの
調査にニジェールに向かう。しかしそんな事実はなかった。
しかし何が何でも開戦したいブッシュ政権は、
これらの報告を無視。イラクへ兵を送る。
ジョーは自身の調査をマスコミに発表するが、
政府の高官は面目を潰された報復として、
ヴァレリーがCIA工作員であるということをマスコミにリークする。

「ブレイム事件」として知られるこの事件は、
開戦後にジョー・ウィルソンが戦争の正当性を疑うような
寄稿をしたことに腹を立てた政府が、報復処置として彼の妻が
CIA工作員であるということをマスコミにリークした事件だ。
スパイが素性を暴露されれば、キャリアも人間関係も
すべて台無しになるだけでなく、その協力者たちの安全も脅かされる。

いくら本当のこと(イラクに大量破壊兵器がなかった)を
突っ込まれたからといって、自国のスパイの素性をバラすなんて
もってのほか。それこそ国家反逆罪である。
そんなアホなことをするほど、アメリカの政治家(といっても実業家上がり)は
腐っていたのだ。
演出はいまひとつキレがないのが残念だが、
こうした事実を映画化できるは、アメリカの強みだ。
日本じゃ、有罪を宣告された政治家を追及する映画なんて
まず作られないだろうし。
(★★★)
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by mahaera | 2011-12-13 21:29 | 映画のはなし | Comments(0)
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