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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『ハンター』 バイオ企業の依頼を受け、絶滅したタスマニアタイガーを 追うひとりの傭兵

ハンター
The Hunter
2011年/オーストラリア

監督:ダニエル・ネットハイム
出演:ウイレム・デフォー(『アンチ・クライスト』『ミラル』)、フランシス・オコナー(『A. I.』『タイムライン』)、サム・ニール(『ジュラシックパーク』『ピアノ・レッスン』)
配給:ブロード・メディア・スタジオ
公開:2月4日より丸の内ルーブル、新宿ミラノ、渋谷東急
上映時間:109分
公式HP:www.hunter-movie.jp


傭兵マーティンはバイオテクノロジー企業から、
絶滅したはずのタスマニアタイガーの生体サンプル入手の
仕事を請け負う。タイガーの生存情報を秘密裏に入手した企業は、
凄腕のハンターでもあるマーティンに依頼し、
その遺伝子情報を独占しようとしたのだ。
タスマニアに着いたマーティンは学者を装い、
ベースキャンプとなる家へ向かう。
そこには幼い姉弟と寝たきりの母親ルーシーがいた。
環境運動家の子供たちの父親は、
数ヶ月前に森で消息を絶ったままだった。
森と家を往復し、タイガー捜索を続けるマーティン。
彼はタイガー生存の手がかりをつかんでいくが、彼を監視する者がいた…。

■レヴュー
昨年公開された『アンチ・クライスト』で久々に主演、
といった感じのウイレム・デフォー。
最近の映画ファンはデフォーといったら
『プラトーン』のエリアス伍長じゃなくてグリーン・ゴブリンかなあ、
と思っていたので、この主演作はうれしい。
主人公は孤独な一匹狼として生きているプロの傭兵。
暖かい家庭を築くこともなく、孤独に生きてきた。
そんな男が、父親不在の一家に接しているうちに
自然に彼らの父親代わりになり、少しずつ心境が変化していく。
なんか、プロットは、ジョージ・クルーニー扮する殺し屋が
イタリアの田舎町で人間味を帯びてくる『ラストターゲット』に
似ているが、どうもこちらは演出力不足なのか、
静と動の切り替えが悪いのか、淡々としすぎてしまっている。
デフォーはほぼ全編出ずっぱりの熱演なのだが、
適役なのかもいまひとつわからない。

とマイナス面ばかり書いてしまったが、題材は面白く、
もっとよくなる作品だっただけに、ちょっと残念だった。
あと、サム・ニールがインディ・ジョーンズか
ジュラシックパークか、という格好が気になった(笑)
(★★☆前原利行)

■映画の背景
・バイオ企業の目的はタスマニアタイガーの捕獲ではなく、
それを殺してサンプルを入手し、秘密裏に独占すること。
現実世界でも遺伝子情報を求めて、人
跡未踏の地にプラントハンターたちが踏み込んでいくことは知られ、
荒唐無稽の話ではない。プラントハンターの話は
以前、「ゴルゴ13」にも出てきた。

(旅行人のウエブサイト「旅シネ」に寄稿したものを転載しました)
by mahaera | 2012-01-24 13:08 | 映画のはなし | Comments(0)
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