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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター』 期待外れな非ロック映画

ウタヒメ 彼女たちのスモーク・オン・ザ・ウォーター

2012年/日本

監督:星田良子
出演:黒木瞳、木村多江、山崎静代、真矢みき、西村雅彦
配給:東京テアトル
公開:2月11日より有楽町スバル座にて公開中

原作は知らなかったが、タイトルを見て観たくなった。
若い世代にはピンと来ないかもしれないが、
現在40代後半から50代前半の世代の人たち(僕ですね)が
高校生だったころ、文化祭のバンド演奏の定番曲が、
このディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」だった。
印象的なこのリフは聞いたことがある人も多いはずだ。
黒木瞳がこの曲を弾いて歌うとあれば、
期待する人も多いはずだ。

主人公は郊外の高級住宅地に住む45歳の主婦、美恵子(黒木瞳)。
元気そうな美恵子だが、家庭に無関心で実家に引きこもりがちな夫と、
不登校の娘との間で生活は空回りしている。
そんな美恵子は偶然再会した昔の職場の後輩のかおり(木村多江)、
バイト先のコンビニで出会った万引き女性の雪見(山崎静代)と
カラオケで意気投合。隣の部屋から聞こえてきたこの曲をきっかけに、
彼女たちとバンドを組むことに。
そこにいつもロックファッションに身を包んで店に来る
お客の新子(真矢みき)が加わり、地元高校のチャリティコンサートへ
出演することになる。

主人公、美恵子の家族が住む家の内装が、前に観た『東京ソナタ』の
小泉今日子の家にそっくり、と思っているうちに、
主人公をとりまく出来事も、似たような展開になっていった。
八方塞がりのこの世の中、
もう一度人生をやり直したいと考えるのはた男たちばかりではない。
星田監督の前作『僕たちのワンダフルデイズ』のほぼ女性版ともいえる本作は、
そんな人たち、年代の人たちへ向けた応援歌なのだが、
いかんせんベタでウェットすぎる。
そして、この監督って本当はロック、そんなに好きじゃないんだな
と感じさせるには十分な作品になってしまっている。
つまりダメな映画なんだが、その理由は、
挫折した人たちが再起をかける、というのはアリなんだが、
バンドもスモーク・オン・ザ・ウォーターもこの話で重要ではなく、
これがママさんバレーでもよかったぐらいの必然性しかない。
それにこの曲がキーワードになるんなら、
甘ったるいピアノ音楽を全編にわたって流す必要はなく、
この曲以外は、音楽なし、ぐらいの意気込みは欲しかった。
まあ、この監督がこの曲、そんなに大事にしていないのが、
感じられてしまうのだ。

それに、黒木瞳にギターは持たせたが、ギターソロはやらせず、
木村多江のキーボードソロにしちゃっているのは問題ありじゃない?
ギター初心者が最初に練習するのが、この曲のソロって
あの年代の人ならば定番で、
「バンド組んでやりましょうよ!」というのりの展開なら、
当然、下手でもソロ弾く展開は期待できるんだがねえ。

まあ、演出もロックには程遠い、暑苦しさが
まったくダメでした。

(★なし)
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by mahaera | 2012-02-17 01:29 | 映画のはなし | Comments(0)
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