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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』 他界した天才舞踊家の世界をヴェンダースが3Dで

ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

2010年/ドイツ、フランス、イギリス

監督:ヴィム・ヴェンダース
出演:ピナ・バウシュ、ヴッパタール舞踊団ダンサー
配給:ギャガ
公開:2月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9ほか


3DというとSF作品やCGアニメという印象が強く、
「なぜダンスのドキュメンタリー?」という疑問があった。
しかし映画が始まってすぐにそれは解けた。
まず3Dありきの映像なのだ

誰もいない劇場。
舞台に土が敷かれ、少しずつダンサーが現れ、
それがやがて大人数の躍動するダンスに変わっていく。
ピナ・バウシュの代表作である「春の祭典」だ。
2009年に他界した天才舞踊家で振付家のピナ・バウシュ
。本作は彼女の死後、その遺志を継ぐように、
舞踊団のメンバーとヴィム・ヴェンダースにより、
3Dによりその作品群が映像化されたものだ。

彼女の存在は知ってはいたが、
それを意識したのはアルモドヴァルの映画
『トーク・トゥー・ハー』の冒頭のシーンだ。
インテリジェンスあふれ、まるで謎解きのようなダンスは
あの映画に観客を引き込むにはぴったりだった。

さて、この3D映画である。
私たちが客席から舞台を観る時に得られる奥行き感はもちろん、
通常ではひとつの角度からしか見られないダンスが
横、斜め、時にはダンサーたちの間、
頭上からの俯瞰
といった角度から見せられ、
私たちが舞台の上に立っているかのような迫力には驚いた。
舞台の上の些細な音(ダンサーの息切れ、足音)もそれを強調する。

ダンスはやがて舞台から、町なかにも飛び出していく。
実際の風景と自然光の中での3Dというのも、
僕には意外に新鮮だった。
こんな3D映画のありかたもあるのだと。
ダンスとインタビューによって映画は進んでいくが、
もっともっとダンスをフルで見たくなっていく。
それは、実際に舞台に足を運んで、ということになるのだろう。
僕も、本当に見たくなった。

(★★★☆)
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by mahaera | 2012-02-26 01:59 | 映画のはなし | Comments(0)
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