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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『テイク・シェルター』  大災害を予感する男 それは予知なのか男の狂気なのか

テイク・シェルター

2011年/アメリカ

監督:ジェフ・ニコルズ
出演:マイケル・シャノン、ジェシカ・チャステイン
配給:プレシディオ
公開:新宿バルト9、銀座テアトルシネマほかにて公開中

これももう先週から公開中でしたね。
観る前はB級ホラーかと思っていたけど、
確かに予算は少なそう。でも演出はしっかりしていて、
小粒ながら、意外な拾い物の作品だった。

アメリカの田舎町の工事現場で働く労働者カーティスは、
妻サマンサと耳の不自由な娘ハンナと3人で
慎ましくも幸せに暮らしている。
しかしある日を境に、カーティスは悪夢を見るようになる。
空を覆う黒雲、走る稲妻、油を含んだような雨…。
その恐ろしいイメージは、日ごとにリアルさを増していく。
家族や友人たちの不信感がつのる中、
カーティスは家の外の庭に避難用シェルターを造り始める…。

最初は夢の中だけだった激しい嵐を、
主人公カーティスは現実の世界でもその予兆を感じるようになってくる。
これは予知能力を持った男のSFスリラーかと思っていると、
やがて男の母親が精神を病んで入院しており、
男も自分の発病を恐れていること、
そしてそれが家族を守る重圧に結びついていることがわかってくる。

SFスリラーかと思っていたら、いつのまにかサイコスリラーになっていた。
途中でそんな展開になり(『ビューティフルマインド』みたい)、
実は彼は、彼自身から家族を守ろうとしているのではないかとも思え、
二転三転していく展開はけっこうスリリング。
結末はちょっとありがちだが、実際僕もあのような夢を見ることはある。
まあ、災害が実際に起きるか起こらないかはそれほど重要ではなく、
実は「不安」そのものを描いた映画といってもいいかも。

俳優たちはあまり有名でない人たちなので、
逆に妙なリアリティを感じた。
そして家族を守らなきゃならない、主人公のお父さん。
自分がそうなったら、と思うと、お父さんは大変だと
共感してしまう。
たぶんヒットはしないけど、見て損はないと思う。
とくに小さい子どもがいるお父さんは。

(★★★)
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by mahaera | 2012-04-03 01:14 | 映画のはなし | Comments(0)
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