ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

最新映画レビュー『ミッドナイト・イン・パリ』  タイムトリップの先は20年代のパリだった

ミッドナイト・イン・パリ
Midnight In Paris
2011年/スペイン、アメリカ

監督:ウディ・アレン(『それでも恋するバルセロナ』『マッチポイント』)
出演:オーウェン・ウィルソン(『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』)、マリオン・コティヤール(『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』『パブリック・エネミーズ』)、キャシー・ベイツ(『ミザリー』『アバウト・シュミット』)、エイドリアン・ブロディ(『戦場のピアニスト』『キング・コング』)
配給:ロングライド
公開:5月26日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーにて
上映時間:94分
公式HP:http://www.midnightinparis.jp


婚約者イネズの父親の出張に便乗し、
憧れのパリにやってきた映画脚本家のギル。
ギルは脚本家としては成功していたものの、
現在は本格的な作家を目指して作品を執筆中だ。
パリの文化に憧れ、そこに住みたいと思っているギルだが、
お嬢様育ちのイネズはカリフォルニアでのリッチな生活を譲らない。
そんなギルの前にイネズの男友達ポールが出現。
知識豊富で、ウンチクをやたら語るポールに、心中穏やかでないギル。
ある晩、ワインの試飲会の後に、イネズはポールと踊りに行ってしまう。
真夜中のパリの町をぶらつくことにしたギルだが、
いつしか1920年代にタイムトリップしてしまう。
そこはヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ピカソ、ダリなど、
ギルの憧れの芸術家たちが活躍する時代だった。

ここのところ、ブログネタは毎日映画だが、
それはやっと観た映画を書く時間ができたということ。
ということで、、旅行人のウエブサイトに書きながら、
それをこちらにも転載している。
さて、イギリスに拠点を移してからも、
年にほぼ1本のペースで映画を撮り続けているウディ・アレン
僕はしばらく彼の作品とは離れていた時期もあったが、
『マッチポイント』以降は欠かさず見ている
コメディではない作品もあるが、どれも教訓がこめられた粋な小話で、
満足できる作品ばかり。
さて、この新作はというと、舞台をアレンが愛してやまないパリにして、
この町へのオマージュともいえる作品になっている。

アメリカンな物質主義にまみれた生活に嫌気が差しかけている主人公が、
敬愛する1920年代のパリへ毎夜タイムトリップする。
どうやってタイムスリップするのかと思っていたが、
何の仕掛けもない。CGもない。そんなところにリアリティはいらない。
主人公はタイムスリップしたバリで、
誰でも知っているような文化人たちと遭遇する
これが本当にそっくり(といっても20年だのことだから
動く本物は知らないのだが)に見え、一番おかしいところ。
そのころのパリのカフェやサロンは、ヘミングウェイや
フィッツジェラルド(と妻のゼルダ)、コール・ポーター
といった
アメリカの作家や作曲家たちが暮らし、
またピカソやダリ、マティスといった“新人”画家が
新しい表現を模索している場所でもあった。
次から次へと現れる著名人たちのそっくりぶりは、
この時代の風俗や文化を知っているほど、楽しめるはずだ。
ただし、それだけでは物語は進展しない。
主人公は「理想のパリ」で自信を付けていくが、
そこにとどまることは現実逃避に過ぎないことをやがて悟る。
現在のフィアンセは物質主義、理想のパリで出会った理想の女性
(作品に恵まれ続けているマリオン・コティヤール。かつてのペネロペ・クルスのよう)
も理想ではなく、新しい出合いが生まれる。
大人のおとぎ話(もちろん教訓込み)として楽しめる作品だ。
94分という長さも、潔い。(★★★★前原利行)

ダリ、ブニュエル、マン・レイが出てくるシーンが一番笑えた。
ダリ以外は、その当時の写真も見たことがないのだけれど。
あと、自殺未遂事件起こしてしばらく姿を見なかった
オーウェン・ウィルソンの復帰はうれしい。
[PR]
by mahaera | 2012-05-10 23:36 | 映画のはなし | Comments(0)
<< 近況報告。仕事ばかりだが、映画... 最新映画レビュー『ムサン日記~... >>