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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ヴィダル・サスーン』  美容界に多大な影響を及ぼした人生を描くドキュメンタリー

ヴィダル・サスーン

2010年/アメリカ

監督:クレイグ・ティバー
出演:ヴィダル・サスーン、マイケル・ゴードン、マリー・クワント
配給:アップリンク
公開:5月26日
劇場情報:渋谷アップリンク、銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館

突然の訃報が入ったヴィダル・サスーン。
映画の中では“元気なおじいちゃん”という姿を見せていただけに、
その死が惜しまれる。
本作はそのヴィダルの功績を称えるために企画されたドキュメンタリーだ。

1928年生まれのヴィダルは孤児院で少年時代を送った後、
14歳のときに美容師に弟子入りする。
その後、ユダヤ人としてのアイデンティティーに目覚め、
イスラエルの独立時に兵士として参加。
帰還後は、有名美容師のレイモンドの元で修行を積んで腕を上げ、
1954年にボンドストリートに自分のサロンをオープンする。
試行錯誤の末、オリジナリティあふれるカットを生み出したヴィダルは、
スウィンギング・ロンドンを代表するヘア・スタイリストに。
その後、彼は美容学校、ヘアケア製品と次々に
仕事の範囲を広げ、成功していく。

ヴィダルにはいろいろな顔がある。
まず、サスーン・カットといわれる斬新な鋭角的な
カットを生み出したこと。
60年代ロンドンのファッションを語るとき、
彼がカットしたモデルの写真はそのアイコンとして必ず使われるほどだ。
僕も前に、ジャズのLPジャケットでそのカットを良く見たことがある。
そのカットは、当時流行っていた幾何学的な現代建築に
影響されたものというから、彼の興味の範囲にも驚かされた。

また、美容学校の開設、
ヘアケア商品「ヴィダル・サスーン」ブランドでの成功と、
実業家としても実力があったこと。
そしてそれだけではなく、健康ブームのベストセラー本から
テレビ番組の司会までしていたこと…。

本作は、そんな彼の経歴を時系列で追い、
現在の彼や関係者へのインタビューを合間に織り込んでいく
ドキュメンタリーだ。私たちが知っていたヴィダル・サスーンは、
全体のごく一部にしか過ぎないことを知るはずだ。

映画では、元気な姿で、
しゃきしゃきとしていたが、
こうした映画が作られたことも、
彼の死を予期してのことだったのかもしれないと思えてくる。

(★★★)
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by mahaera | 2012-05-16 14:23 | 映画のはなし | Comments(0)
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