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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『道~白磁の人~』  国や民族を超えた友情。実話を基にした物語

道~白磁の人~

2012年/日本

監督:高橋伴明
出演:吉沢悠、ペ・スビン、酒井若菜、塩谷瞬、田中要次、大杉漣、手塚理美
配給:ティ・ジョイ
公開:6月9日より新宿バルト9、有楽町スバル座


1914年、浅川巧は故郷の山梨から、
兄と母が住む日本統治下の京城(ソウル)にやってきた。
巧はそこで見た「白磁」に、強く心を惹かれる。
巧の仕事先は林業試験所で、伐採で山肌が見えるようになった
朝鮮の山々を緑に戻すことが使命だった。
共に働く朝鮮人の職員チョンリムから朝鮮語を習い始め、
朝鮮人に溶け込もうとする巧。
2人の友情は深まっていくが、
独立運動弾圧事件が2人の間に大きな傷跡を残す。

戦前の日本植民地下の朝鮮半島。
そこで植林活動に従事し、顧みられることはなかった
朝鮮陶器の「白磁」を称えた日本人、浅川巧
実在の人物を描いた江宮隆之の原作の映画化だ。

原作は読んだことがないが、映画は彼と一緒に仕事をした
チョンソムとの友情を軸に、当時の日本と朝鮮の関係を描いている。
何となく原作でのこのふたりの友情は
主軸ではないような気がするのだが、韓国スターのペ・スビン
がキャスティングされたことで大きくクローズアップされたような気がする。
というのも、立場やイデオロギーに染まることなく、
いささか浮世離れしている素朴な「白磁」のような人を描いているのに、
ときどき話が寄り道しているような、もしくは巧とチョンリムのように
人と人との信頼で結ばれることこそ大事なのだと、
訴える作品にしては、主人公が浮世離れしすぎている
と感じてしまうからだろう。

演出は正攻法で、まともすぎて僕にはテレビドラマのように
感じてしまうのだが、それでも実話ではなさそうな
映画ならではの展開に“泣かせどころ”はいくつも配置し、
感動はしていないのだが、泣かされしまう場面があるのは
ズルいかと思う。

(★★☆)
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by mahaera | 2012-06-06 12:33 | 映画のはなし | Comments(0)
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