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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』 アラブの独裁者がNYでスーパーの店員に?

ディクテーター 身元不明でニューヨーク

2012年/アメリカ

監督:ラリー・チャールズ
出演:サシャ・バロン・コーエン、アンナ・ファリス、サー・ベン・キングスレー、ジョン・C・ライリー
配給:パラマウント
公開:9月7日より公開中


いつも奇抜なキャラに扮しているサシャ・バロン・コーエン。
自身はユダヤ人だが、映画ではそれを逆手にとり、
ユダヤ人を差別する役も多い。
彼のギャグは差別・偏見をネタにしたブラックなものと
超下品な下ネタからなり、好き嫌いが分かれる。
僕も、前に見た『ポラット』は笑えないシーンも多く、
ちょっと引いてしまった。
この新作では、リビアの故カダフィ大佐をほうふつさせる
独裁者を演じている(当然、反米、反ユダヤ)。

北アフリカにあるワディヤ共和国は、
オイルマネーを背景に反米の独裁者アラジーン将軍が支配している。
反対するものは容赦なく粛清だ。
やりたい放題のアラジーンだが、核兵器開発を疑う国際社会から
締め付けが厳しくなっていた側近に説得され、国連で釈明するために
ニューヨークにやって来たアラジーンだが、
謎の集団に拉致されてしまう。そのとき自慢のヒゲをそられ、
誰も彼をアラジーンとは気づかなくなってしまう。
途方に暮れたアラジーンだが、博愛主義の活動家ゾーイと恋に落ち、
自然派志向のスーパーで働くことに。。

北朝鮮、イラン、イラクといった国々の典型的な独裁者のイメージ
を演じながらも、単に独裁者が悪いというわけではなく、
バロン・コーエンはそれを支援する国や企業も笑い飛ばす。
チャップリンは『独裁者』でヒトラーを批判したが、
現代では、独裁者はさただの操りピエロ。
支援しているのは、中国や多国籍企業なのだ。

今回は、こちらが引いてしまうようなシーンは少ないが、
その代わり「毒」が薄れたような気もする。
ラスト、国連の席で彼が演説するのは、
もちろんチャップリン作品を意識してのことだが、
感動させようというのがちょっと見えてしまうのだ。

設定は面白いものの、1アイデアの感じもし、
もっと面白いものになったはずなのだが、
という感は否めない。

(★★☆)
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by mahaera | 2012-09-10 18:35 | 映画のはなし | Comments(0)
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