「ほっ」と。キャンペーン
ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

最新映画レビュー『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』天才音楽家の最後の8日間

チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜
Poulet aux prunes

2011年/フランス、ドイツ、ベルギー

監督:マルジャン・サトラピ(『ペルセポリス』)、ヴァンサン・パロノー
出演:マチュー・アマルリック(『潜水服は蝶の夢を見る』『007/慰めの報酬』)、マリア・デ・メディロス(『パルプ・フィクション』『死ぬまでにしたい10のこと』)、イザベラ・ロッセリーニ(『ブルー・ベルベット』)、ゴルシフテ・ファラハニ(『彼女が消えた浜辺』『ワールド・オブ・ライズ』)
配給:ギャガ
公開:11月10日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館
上映時間:92分
公式HP:chicken.gaga.ne.jp


イランのラシュト出身だがヨーロッパで青春時代を過ごし、
自伝的コミック『ペルセポリス』がベストセラー
なった女性アーティスト、マルジャン・サトラピ
2007年にはその『ペルセポリス』を自らアニメ化して
監督デビューし、高い評価を得た。
『ペルセポリス』はイラン革命で当初は喜んでいた市民たちが、
その後のイラン・イラク戦争と原理主義の台頭で
どんどん暮らしにくくなって行く様子を、少女の目線で描いたものだ
(コミックも面白いのでおすすめ)。
本作はそのサトラピの監督2作目であり、
彼女のコミック「鶏のプラム煮」を実写化したもの。

天才音楽家ナセル・アリは人生に絶望していた。
壊れたバイオリンと同じ音色を出せる楽器が見つからない。
8日後、ナセル・アリは亡くなるが、
それまでに彼は自分の人生をベッドの中で回想する。
「テクニックはあるが、音楽は空っぽだ」と言われた修行時代、
ひと目で恋に落ちたイラーヌとの出会い、
失敗した愛のない結婚生活、
本物の音色を見つけ世界各地を演奏旅行で飛び回った時代、
大切な母の死…。
そして叶わなかった愛の物語が語られていく。

舞台は1950年代のテヘランのようだが、
それが重要というわけではなく、
いつの時代のどこにでもある昔話のようでもあり、
過ぎ去った良き時代ならどこにでも当てはまる場所だ。
私たちが抱くようなイランらしさはとくにないし、
国際的なキャスティングもそれを強調している。
主人公は映画が始まって間もなく死んでしまうという
意表を突く展開だが、本筋はそこから始まる。
なぜ天才音楽家ナセル・アリは生きる意欲を失い、
死を選ぶようになったのか。
すでに死んでしまったことが前提なので、
彼の語る思い出が美しくも哀しいのだ。

ストーリーだけでく、この作品ではコミックを
意識した非現実的な映像(背景は書き割りだ)や、
コミックの実写化のようなオーバーな演技も見ものだ。
というわけで僕的には見どころ満載なのだが、
テンポがよくないのか、92分しかない割には長く感じた。
なので☆ひとつ減の(★★★)
[PR]
by mahaera | 2012-10-31 10:59 | 映画のはなし | Comments(0)
<< 新作映画レビュー『宇宙人王(ワ... 最新映画レビュー『リンカーン/... >>