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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『恋のロンドン狂騒曲』アレンの新作はしょっぱいけど粋なコメディ

恋のロンドン狂騒曲
2010年/アメリカ、スペイン

監督:ウディ・アレン
出演:アンソニー・ホプキンス、アントニオ・バンデラス、ナオミ・ワッツ、ジョシュ・ブローリン、フリーダ・ピント
配給:ロングライド
公開:12月1日よりTOHOシネマズ シャンテにて公開中


ほぼ毎年1本の新作を届けてくれるウディ・アレン。
日本公開の順序は逆になったが、本作は世界中で大ヒットした
『ミッドナイト・イン・パリ』の前作にあたる
ロンドンを舞台にしたコメディだ。
4組のカップルの恋愛模様を描いているが、
視線は今までの彼の作品に比べるとかなりシニカルだ。

処女作以降はさっぱり芽が出ない一発作家のロイ(ジョシュ・ブローリン)。そしてその妻のサリー(ナオミ・ワッツ)には、
しっくりしない結婚生活以外にも悩みがあった。
父アルフィー(アンソニー・ホプキンス)は若さを取り戻そうと
家庭を捨て、母へレナはそのショックから自殺未遂をはかり、
今ではインチキ占い師の予言を信じるようになっていた。
家計が苦しい中、サリーは働き出したアートギャラリーの
上司グレッグ(アントニオ・バンデラス)に心惹かれるように。
一方、ロイも窓越しに見かける若い女性ディア(フリーダ・ピント)の虜になっていく。そんな中、アルフィーが連れてきた相手は、
孫ほど歳の離れたコールガールだった。

いくつものカップルの別れと出会いを同時進行させるスタイルは、
アレンにとってはお手のもの。
ただし、今回は恋の幻想をかなりシニカルに描いた本作は、
コメディながらもビターな味わいで、オチは相当シビアだ。
登場人物たちは、自分やパートナーにないものを求めて、
現在のカップルの関係を解消していくが、
結局誰が幸せになったのかと言えば、という皮肉が効いている。
隣の垣根はよく見えるものだし、人は自分に都合良く解釈する。
珍しく情けない老人を演じるホプキンスは新鮮
(レクター博士は忘れよう)
ダメ作家のブローリン、から回りしてしまうワッツ、
そしてフレッシュな魅力たっぷりのフリーダ・ピント
(『スラムドッグ$ミリオネラ』のヒロイン)など、
俳優たちの魅力もたっぷり活かされている。
90分という長さも、粋な小話という感じだが、
絶対にカップルで見に行かないほうがいい
とくにこれからの人。
「恋愛なんてつまらない幻想だよ」という
達観したアレンの教えが、シビアすぎる。
ともあれ。名人芸を観に行く感じだ。

(★★★☆)
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by mahaera | 2012-12-08 12:03 | 映画のはなし | Comments(0)
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