ブログトップ

旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

mahaera.exblog.jp

最新映画レビュー『ムーンライズ・キングダム』ウェス・アンダーソンの新作は絵本をめくるような楽しさ

ムーンライズ・キングダム
Moonrise Kingdom
2012年/アメリカ

監督:ウェス・アンダーソン
出演:ブルース・ウィリス、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、フランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントン、ジェイソン・シュワルツマン
配給:ファントム・フィルム
公開:2月8日よりTOHOシネマズシャンテ、新宿バルト9ほか


ウェス・アンダーソンの映画は、彼の映画としかいいようのない
スタイルを持っている。コミカルでおかしいが、
ノスタルジックで悲しい。知っているロックの名曲を、
まるで初めて聴いたかのように新鮮に感じさせてしまう
マジック。
その新作の舞台は、まだ古き良きアメリカの雰囲気が残る1965年。
駆け落ちした12歳の少年と少女が島の2人だけの入り江へ向かう。
それを追跡する大人とボーイスカウトの仲間たち。
おとぎ話のように進む子供たちの冒険物語と、
平行して描かれる善良だがどこか愚かな大人たち。
レトロでスタイリッシュな映像は、どのシーンも
まるで絵本をめくって行くような遊び心がいっぱいだ

1965年という時代設定にしたのは、サマーオブラブが始まる前、
まだジミヘンもヒッピーも、アメリカンニューシネマもない、
あと数年で世界がイノセンスを失ってしまう時だからだろう
子供たちが純粋な気持ちで(正しいかは別にして)行動するのを
阻止していた大人たちが、それに振り回されているうちに、
自分たちを見つめ直していく。ウェス・アンダーソン作品の
良さがよくわからないという人もいると思うが、
子供たちを主人公にした本作は彼の作品の中でも
もっとも一般受けする映画だと思う。

俳優たちのアンサンブルは生き生きとしていて、
見ていてとても楽しい。
近ぱっとしなかったエドワード・ノートン
久々のいい演技を見せているし、いつもとは異なる、
善良だがどんくさい警官役のブルース・ウィリスは、
「ここ数年で一番の演技」
とアメリカで評判だったほど(笑)。
まあ最近では楽な仕事しかやらないウィリスだしね。
もっとこの映画を見たいと思いながら終わる
一時間半という短い上映時間もいい。
かなり好きな映画だ。そして誰にでもおすすめできる。
(★★★★)
[PR]
by mahaera | 2013-02-07 02:15 | 映画のはなし | Comments(0)
<< タンセンからポカラへ 天気回復... ルンビニは今日は雨だった >>