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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ジャッキー・コーガン』意欲はわかるが、空回りしている社会派クライムムービー

ジャッキー・コーガン
Killing Them Softly
2012年/アメリカ

監督:アンドリュー・ドミニク
出演:ブラッド・ピット、スクート・マクネイリー、ベン・メンデルスゾーン、リチャード・ジェンキンス、レイ・リオッタ、ジェームズ・ガンドルフィーニ
配給:プレシディオ
公開:4月26日より全国


暗黒街で起きた事件の収集に呼ばれた男
賭場の強盗事件の解決にある男が呼ばれた
B・ピットが凄腕の殺し屋を演じる

日本タイトルはブラッド・ピット演じる殺し屋の名前だが、
原題は『キリング・ゼム・ソフトリー』。
たぶん、ロバータ・フラックのヒット曲
「キリング・ミー・ソフトリー」のもじりだろう。

舞台は大統領選が行われている2008年のニューオリンズ。
出所したばかりの若者フランキーは、仕事仲間のジョニーから
犯罪組織の賭場の強奪計画を持ちかけられる。
その賭場は前にも強盗事件があり、証拠はないが犯人は
支配人のマーキーだとみな思っている。
だからまた強盗が入れば支配人のマーキーが
まず疑われるので安心だというのだ。
フランキーは友人を誘い強奪計画は成功するが、
組織はこの事件を解決するため、凄腕の殺し屋
ジャッキー・コーガンを送り込む。

実はピットが登場するのは映画が始まって1/3ほどしたころ。
それまでの20分は賭場の襲撃計画とその実行が描かれ、
ここでの主人公は強盗を依頼され、実行するフランキーだ。
そしてようやくピット扮する殺し屋ジャッキーが登場する
ここから第2幕。ジャッキーは殺し屋なのだが、
クライアントが満足するだけでなく意見をいい、
そして自分も最大の利益をあげられるように
仕事をこなして行く。殺しにも特に感情はなく、
仕事ができるビジネスマンのようだ。この中盤では、
まだジャッキーは登場人物のうちのひとりにしか過ぎない。
ジャッキーの代わりに殺しを実行しようとNYから呼ばれる
殺し屋が酒と女でメタメタで使えなかったり。
強盗をした2人のその後も平行して描かれている。

さて、映画の序盤から随所に挿入される大統領選の映像だが、
そこで語られる“きれいごと”と現実の“汚い世界”が
執拗に対比されている。それは本作がただの犯罪映画と違い、
理想など口先だけで、アメリカを動かしているのは経済(金)であり、
その縮図がこの犯罪社会なのだと言いたいのだろう。
しかしそれが効果的かと言われるとそうでもなく、
思わせぶりでスカした演出は鼻につくだけ。
つまり話としてうまく機能していないのだ。
意外性もないし、観客の気を引く謎もない。
印象に残るのは、組織の指令にはないが、
ジャッキーが賭場の支配人マーキーが無実なのを知りながらも、
消すことにこだわるのも「人はどうしたかではなく、
どう見られているかの方が大事」
などと、
この殺し屋に言わせるところ。
それがアメリカ社会のことを示唆しているのだろうが、
そこから大きく話が膨らむことがなかったのは残念。
(★★)
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by mahaera | 2013-04-18 13:41 | 映画のはなし | Comments(0)
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