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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『殺人の告白』 時効を迎えた殺人犯が本を出版。しかもイケメンで人気者に

殺人の告白

2012年/韓国

監督:チョン・ビョンギル
出演:パク・シフ、チョン・ジェヨン(『黒く濁る村』『トンマッコルへようこそ』)、キム・ヨンエ(『ファン・ジニ』TV)
配給:ツイン
公開:6月1日よりシネマート新宿、シネマート六本木にて公開中
上映時間:119分
公式HP:www.satsujin-kokuhaku.net


公開始まっていたのに気がつかなかった。
話は面白かったのに、何となくB級になってしまった作品だ。
日本では2010年に殺人罪の公訴時効は廃止された
しかしそれまでは時効があり、
罪に問われないことを知って時効成立後に自首する殺人犯もいた。
(足立区の小学校の警備員が女性教師を殺害し、自宅に埋めていたが、
道路拡張工事のため立ち退きになり、バレると思って自首した事件など)
韓国でも最近まではこの映画のように
殺人罪の時効は15年だったようだ(現在は25年)。
しかし遺族にとって、時効は犯人ばかり得する法律で、
無念に違いない。また犯人も憎いが
捜査が打ち切られるということは、最後の望みもなくなってしまう。

1990年、女性ばかり狙う連続殺人事件が発生。
犯人を追う刑事ヒョングだが、あと一歩というところで取り逃がす。
この事件の公訴時効を迎えた2年後の2007年、
真犯人だと主張する男・ドゥソクが名乗り出た。
自らが犯した殺人を克明に綴った本を出版し、反省を語るドゥソク。
その爽やかなルックスからドゥソクは一躍時の人となり、
本はベストセラーになる。
ドゥソクは本物の犯人なのか。そしてその真の目的は?

本作の主人公は犯人を寸前で取り逃がしたばかりか、
愛する者も失った刑事だ。
犯人は刑事の行動を知って、その最愛のものを拉致した。
そんな彼を挑発するように“時効”を利用し、
一躍スターとなる男。
刑事がガテン系なら、こちらは貴公子風。
その2人の対決を軸に、男の命を狙う遺族グループ、
さらに「自分こそが真犯人」と名乗り出る人物も登場。
パク・シフ演じる“犯人”は、
ファンがつくという設定通り、謎めいていて魅力的だ。
最初は彼の言う通り彼が犯人だと思って見ているが、
やがてその表情の裏に、もっと謎めいたものを感じるようになる。

二転三転するストーリーは、かなり面白いのだが、
ひとつ言いたいのは、余計なアクションシーンが多いこと。
派手なカーチェイスが物語の進行をいちいち
中断しているのだ。こちらは早く真相を知りたいし、
次のシーンを見たいのだけれど、20分近く続くカーチェイス
(しかも2回もある)は物語を停滞させるだけだと思う。
ここは、メル・ギブソンの「身代金」のように、
さっさとズバッと対決させてほしい。
たぶん、一流監督なら、自信を持ってシャープに
「男の対決」で緊迫感を持ってすすめられると思うのだが、
なんか色気が裏目に出た気がする。
細かい所までよくできた脚本(だまされました)なので、
もったいない。★ひとつ減。
(★★★)

追記
あ、あと、あのひどい音楽は何とかならなかったものか。
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by mahaera | 2013-06-13 02:11 | 映画のはなし | Comments(0)
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