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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『アフター・アース』ウィル・スミスの親バカ映画と言われても仕方のないSF

アフター・アース
After Earth
2013年/アメリカ

監督:M・ナイト・シャマラン(『シックス・センス』『サイン』)
出演:ジェイデン・スミス(『ベスト・キッド』)、ウィル・スミス(『メン・イン・ブラック』(『インデペンデンス・デイ』()
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
公開:6月21日より全国公開


ウィル・スミスと実子のジェイデン・スミスによる
『幸せのちから』に続く2度目の共演作だ。
しかも本作では主演をジェイデンに譲り、
自分は映画の内(共演)外(プロデューサー)で強力にバックアップ。
はたして、親子共演は「吉」と出るか。。。

人類が環境の激変により住めなくなった地球を脱出し、
1000年が過ぎた。今、人類は「ノヴァ・プライム」という星に
住んでいるが、そこにはすでに他の惑星のものたちもいた。
戦いが始まり、敵は「人間の恐怖を感じ取って攻撃してくる
生物兵器アーサ」を送り込む。人類は危機に直面するが、それを
救ったのは“恐怖”を克服した戦士サイファだった。
サイファは人間たちを守る兵士“レンジャー”の司令官になる。

ここまでの話が、冒頭の10分ぐらいのナレーションで語られる。
そして、サイファの家族、息子のキタイとうまくコミュニケーションが
取れていない現状が描写され、サイファとキタイの親子が乗った
宇宙船が小惑星嵐に巻き込まれ、今は人が住まなくなった“地球”に不時着する。

ここまでは面白かった。
未来の人類が住む惑星プライムの風景や住居、
曲線を多用した宇宙船のデザインも新鮮で、
期待は弾んだのだが。。。

生き残ったのはサイファと若きその息子キタイだけだった。
重傷を負て動けないサイファは、
キタイに100キロ離れて落下した船尾に行き、
遭難信号を出すビーコンを見つけるように指示をする。

ここへ来て、ようやく物語が動き出す。
見どころは「驚くべき変化を遂げた地球」のはずだが、
1000年しか経っていないので、まったく新種の動物が
いるわけではない。
戦士としては未熟な少年が、困難に立ち向かい、
一人前の“男”として成長するという話は、
映画では定番のストーリー。
それは別に西部劇でも、ロードムービーでも
何でも良く、本作もその骨子は変わらない。
問題は、「遥か未来」という設定が、地球に着いてからは、
あまり生きていないこと。
実は墜落した宇宙船には、生物兵器アーサが積み込まれており、
ラストで少年がそれと対決しなければならなくなるというのは、
途中から想像がついてしまう。

優秀な司令官(=ハリウッドスターのウィル・スミス)を、
その息子(=まだ駆け出しの俳優ジェイデン・スミス)が、
乗り越えて行くという、映画のストーリーは、そのまま
実生活でもそうなって欲しいという親の願いだが、
それがそのままストレートに出た話なので、
見る側としては、「スミス親子二代帝国の野望」に見えてしまう。

苦難を乗り越えて父親への理解を深めていく、
子供の成長物語というのが、
何となくいやらしい感じがしてしまうのは僕だけか。
それでも話が面白ければいいのだろうけど、
「別にSFじゃなくてもよかったのでは」
という感じで話は進む。ラストで出てくる怪物も、
別に、「乗り越えなくてはならない最強の敵」であれば、
何でも良かったはずだ。
それを果すことによって、「父親超え」を果すのが、
映画のテーマなのだから。
怪物はグエムルみたいな感じで、つくづくCG時代になって
リアル指向で、ルックスに夢がない怪物ばかりになったと思う。
真っ赤とか、ドリルがあるとか、角があるとかあってもいいのに。

で、いっこうに盛り上がらないのは、ジェイデンくんの役不足なのか、
どんでん返しのないシャマランがつまらないのか、
それとも親子共演に白けてしまったのかはわからない。

映画はアメリカでは思ったほどヒットせず、制作費を回収するのは
かなり厳しい戦い
のようだ。
ウィル・スミス、次はヒーローではなく、
ジェイデンくんとコメディをやってくれ。

しかし、ジェイデンくんの次の共演は、たぶん
トム・クルーズ
と僕は推測する。

映画は★★☆
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by mahaera | 2013-06-22 02:24 | 映画のはなし | Comments(0)
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