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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『アイアン・フィスト』往年のカンフー映画をたまらなく好きな人が撮った

アイアン・フィスト
Iron Fist
2013年/アメリカ

監督:RZA
出演:ラッセル・クロウ、RZA、ルーシー・リュー、リック・ユーン、ダニエル・ウー、ジェイミー・チャン
配給:パラマウント ピクチャーズ ジャパン
公開:8月3日より渋谷シネクイント


ヒップホップグループ「ウータン・クラン」。
そのリーダー
であるRZA(レザ)は大のカンフー映画好きで、
本作では原作、脚本、監督、音楽、主演を務めている。
ストーリーは、わざとありふれたものにしている。

19世紀の中国。武装集団が跋扈し争いが絶えない村があった。
そののひとつ「猛獅会」の首領の金獅子は、
欲に目がくらんだ部下の銀獅子と銅獅子に殺されてしまう。
一方、村には黒い肌をした名もなき鍛冶屋(RZA)がいた。
彼の夢は、マダム・ブロッサム(ルーシー・リュー)の娼館で働く
レディー・シルクを身請けして村を出て行くことだった。
その頃、白人のナイフ使いのジャック(ラッセル・クロウ)が
村にやってくる。
また、金獅子の遺子であるゼン・イー(リック・ユーン)も
村に戻って来た。不穏な空気が広がる中、
皇帝の金塊輸送車が村にやってくる。

往年のカンフー映画と『キル・ビル』などのタランティーノ映画を
ミックスしたような快作。
辺境の村に金塊輸送車がやってくることをきっかけに、
村のギャング団、名もなき男、流れ者、皇帝の密使、娼婦などが
それぞれの思惑で協力したり、また敵にもなる。

映画の中でしか成立しないリアリティゼロの世界だが、
映画なんだからいいじゃない。
ネットの世界になって、観客層評論家時代だが、
みんなどの映画にも難癖付け過ぎだよね。
難しい映画も、くだらない映画も
映画には変わりないし、リアリティ重視じゃなくて、
荒唐無稽な世界もまた映画。
なのでかつて量産されたアクション映画のパターンを
意図的に踏襲した本作は、「ありえねー」と
突っ込みを入れたがる奴らへのアンチテーゼ。
まあ、そこまで言わなくても、
「映画なんだから楽しんでいっていよ」という感じ。
とはいえ、B級映画を一流スターを使って丁寧に描くとこうなる、
という感じは面白い。ふだんはお金をかけないジャンル映画を
ちゃんと作るとこうなるという『ゾンビランド』とか『ミスト』みたい。
いかにもセットという町や戦いの舞台となる娼婦の館は、
リアリティ重視のセットが多い現在からすれば、
作り物感たっぷりでいい。
無駄に、秘密の武器や必殺技が出てくるのも
楽しく楽しめた。

どこでどう交渉したのか不思議だが、高給取りの
ラッセル・クロウ
が準主人公で出ているのがかなり不思議。
きっとRZAにヤバい借りがあるのだろう(笑)
でも、出過ぎの『マン・オブ・スティール』よりいいかも。
でっぷり太った体を隠しもしていないし。

残念なのは、主人公のひとりであるRZAが
ちっとも強そうに見えない
ところかな。

★★★
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by mahaera | 2013-07-28 15:20 | 映画のはなし | Comments(0)
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