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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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最新映画レビュー『ワールド・ウォーZ』人をゾンビにするウィルスが蔓延。ゾンビが超高速で走る

ワールド・ウォーZ
World War Z
2013年/アメリカ

監督:マーク・フォースター
出演:ブラッド・ピット、 ミレイユ・イーノス、ジェームズ・バッジ・デール
配給:東宝東和
公開:8月10日より全国公開


もともと「ゾンビがのろい」というのは死人だったからで、
それが『28日後…』あたりからウィルス感染という
新機軸が打ち出されると(死んでないから)、
猛スピードで全力疾走できるようになった。
それまではゾンビの怖さは、一対一ならなんとか
立ち向かうことができるが、それが油断により
どんどん集団に追いつめられてしまうという怖さだった。
しかし集団で走って追いかけられたら、
もうどうしようもないわけで、それに立ち向かえるのは
「バイオハザード」の主人公ぐらいしかいなくなってくる。
そして、本作のゾンビは、歴代ゾンビの中でも
もっとも高速かもしれない。

妻と2人の子供を連れ、いつものように
家を出た元国連捜査官のジェリー。
ところがフィラデルフィアで、
突然ウィルスに感染した“Z”たちに襲われる。
かろうじて難を逃れ、国連事務次長の手配で
大西洋上にある空母に避難したジェリー一家。
そこでジェリーは、ワクチンを作るために
ウィルスの感染源を探す命令を受ける。

原作はマックス・ブルックスによるベストセラーで、
ゾンビとの戦いにかろうじて勝利した世界各地の
人たちの証言集
という形をとっている。
ただし映画的にはそれでは共感が得られないと
ブラッド・ピット扮する元国連調査員が、
ウィルスの発生源や予防策を探るため、
地獄と化した世界各地を回るというものに、
ストーリーが変更されている。
彼は本作によってホラー小説家として有名になるが、
父はコメディ専門の映画監督のメル・ブルックス。
母は名女優のアン・バンクロフトだ。


さて、映画のこのゾンビは早いだけではない。
感染力のスピードも噛まれてからわずか10秒程度
人間以上に機敏で、まるで濁流のごとく押し寄せてくる。
その映像は今までに観たことがないもの。
しかしよくよく考えれば、かなり現実離れしたもの。
ゾンビ映画はすべて何かのメタファーだが、
この映画のゾンビの増え方とスピード感は、
ウィルスの大流行を視覚化したものだろう。
一度侵入を許してしまえば、
拡大を防ぐことは不可能ということだろう。

フィラルデルフィアでのゾンビ大量発生、
エルサレムでのゾンビ襲来のシーンはかなりの迫力だが、
全体的にはじっくりと終末サスペンスを見せてくれ
アクションだけに頼っていない感じ。
大作だけに大ヒットしないと困るため、
成人指定は避けたかったのであろう。
そのためゾンビによる人肉食や、人体破壊シーンなど
ゾンビ映画定番のスプラッター描写はなく、
その分、ショックよりもサスペンス色が
強くなったのかもしれない。が、それは僕の好みで、
この夏の大作の中では、一番映画に集中できたかも。

ただし手放しで面白かったというわけではなく
突っ込み所もけっこう多い。
超高速のゾンビなのに、主人公の周りのゾンビは、
走って逃げられる程度の早さ。
そしてワクチンを開発するオチも御都合主義。
クライマックスは地味な研究所内で進行するというのも
いささか最後になってスケールダウン。
つまり、大きな見せ場とそれをつなぐサスペンスに
何となく乗せられて見てしまったが、
落ちついて考えてみると「なことないだろー」という
感じなのだ。ちょっと『プロメテウス』。

数々のトラブルのため、
制作費が200億円近くかかってしまった本作。
幸い、北米ではヒットしたため、
続編が作られることになったという。
次はどんな展開になるのやら。。

★★★
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by mahaera | 2013-08-04 01:34 | 映画のはなし | Comments(0)
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