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旅行・映画ライター前原利行の徒然日記

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新作映画レビュー『トゥ・ザ・ワンダー』“愛のうつろい”を描くT・マリック作品。モノローグ多すぎ

トゥ・ザ・ワンダー
To the Wonder

2012年/アメリカ

監督:テレンス・マリック
出演:ベン・アフレック、オルガ・キュリレンコ、レイチェル・マクアダムス、ハビエル・バルデム
配給:ロングライド
公開:8月9日よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館にて


“超寡作”で知られた、伝説の監督テレンス・マリック
寡作と言うより、『地獄の逃避行』『天国の日々』のあとは
違うことやってたんだろう
しかし『シン・レッド・ライン』以降は
次第に製作ペースが早まり、本作の発表は前作である
『ツリー・オブ・ライフ』からわずか1年。
すでに自作も完成間近だという。
まあ、でも商業映画の監督は年に1本ペースだから、
ようやくふつうのペースになったのかも。

さて、本作は『ツリー・オブ・ライフ』同様、
各シーン間の時間経過ははっきりわからず、
またどうしてそうした状況になったのかの説明もない

ただただ、映画の大半を美しい映像と音楽が埋め尽くし、
それをバックに主要人物のモノローグが占めるという、
ドラマを求める人には忍耐を強いるかもしれない作品だ。

潮が満ちると小島になる名所、
フランスのモンサンミッシェルを歩くふたり。
アメリカからやってきたニールは、マリーナと恋に落ちる。
やがてニールはマリーナとその娘タチアナを連れ、
アメリカの田舎町に移り住む。
時がたち、最初は喜んでいたマリーナの娘タチアナは
フランスへ帰りたがるようになり、
ニールとマリーナの間にも諍いが起きるようになる。
そのころマリーナは、自分が通う教会の神父クインターナに
悩みを打ち明けるが、クインターナも信仰に悩んでいた。

と書けばストーリーがきちんとあるようだが、
それも配られたストーリー解説を読んでわかったこと
見ている間は、主人公たちの仕事も、家族関係も
時間経過も、何で諍いが起きたのかさえわからない。
わからないことづくした。
だから、目の前に映る映像も現実のことなのか、
それとも語り手の心象風景なのか
が、渾然一体に見える。
主要人物は苦悩を抱え、そしてそれは映画の最後まで
解決することがない。
それはいつまでも終わらない夢のようなのだ。
登場人物の苦しみの理由はわからないが、
苦しみの感情は伝わってくる

もしかしたら、観客がストーリーを追わないように、
それを感じさせる要因はすべてカットしてしまったのかも。
それは映像的には面白いが、
2時間近く続くのはちよっと辛かったなあ。

★★☆
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by mahaera | 2013-08-06 01:35 | 映画のはなし | Comments(0)
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